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2009年02月16日

こんなことをしている時ですか!

 中川財務大臣がやってくれました。イタリアで国際会議(G7)のあとの記者会見で、しどろもどろの姿を日本人にだけではなく、世界に“発信”しました。

 記者からの質問に受け答えすることができず、発言もろれつが回らなかったり、意味不明のものも。目は真っ赤で、視点があわず、居眠りしている場面も映像から見て取れます。

 本人は風邪薬を多めに飲んだからだと弁解していますが、本当のそう? どうみても酔っぱらっているようにしか見えませんよ。

 確かに風邪薬を飲むと眠くなります。とくに鼻水を止める薬(抗ヒスタミン剤)には眠気という副作用があるものです(咳止めにもあります)。だから通常量を飲むときにも、自動車の運転を避けるなど、不意の眠気に注意するようお願いしています。

 それを多めに飲んだというのですから、眠気はそうとうなのでしょう。でも、やっぱりウソっぽい。多めに飲むってことを、普通はしませんよね。風邪薬を多く飲んだから、風邪がより早く、きちんと治る、なんてことはありませんし、一般の方もそれが常識でしょう。

 そもそも風邪をひいていたのですか? 一国の大臣が重要な国際会議に出席するのですから、体調の管理は本人がしていなくても、周囲が気をつけているはずですよね。随行の医師はいないかもしれませんが、イタリアの大使館には、何かあったらすぐ手当をしてくれる顧問医がいるでしょう。自分勝手に風邪薬を、それも多めに飲むという状況が、まずおきないのではないかと思います。

 もし風邪薬を飲んだとしても、それはいつ? こういった薬の作用や副作用は数時間程度で消えていきます。会議の前に飲んだのであれば、会議後の会見で眠気がまだ強く残っていることもないでしょう。まして、往きの飛行機の中で飲んだというのが本当なら、とても副作用としての眠気が続いているとは思えません。

 マスコミではそうとう飲酒していたのではないか、という推測が流れています。本人も、量は少ないけれど酒を飲んだことを認めています。もともと飲酒癖のある方だそうで、以前から週刊誌などで、深酒で翌日の仕事に影響を与えていたなどとかかれている方です。

 そうであれば、周囲はどうしてきちんと見てあげられなかったのか。会議の前後にはお酒はダメなのだと、きつく釘をさせておかなくてはいけなかった(まるで子どものようだけれど)。

 そして、あの状態で記者会見しようとしたら、止めるのが普通なのでは。歩く姿もフラフラで、ほとんど酩酊状態。きっと酒臭かったことでしょう。

 飲酒のためではなくても、とても人前に出てこれる状態ではなかったわけですから、そのまま“断行”させてしまうのは、正しい判断だったとはいえないでしょうね。

 記者の人たちのことも、実は気になっています。明らかに大臣の様子がおかしいわけですから、それについての質問やらつっこみをしてもいいはずです。「大臣はお具合が悪いのですから?」「お酒を飲んでいませんか?」

 そんな質問をするのも、世界の恥さらしかな。大人のふるまいをしていたのかもしれません。大臣に情けをかけて、あえて質問しなかった・・(その割には、そのあとでニュースなどでさかんに取り上げていますが)

 小渕恵三氏が総理大臣をしていた時の話です。彼は首相在任中に脳出血を起こし、亡くなりました。その前兆が見られていたというのです。記者から質問された際に、マイクを向けられなからしばらくの間、無言で立ちすくんでいました。言葉が出てこなかったようなのです。

 さかのぼって見直すと、どうもその頃から病気が始まっていたのではないか。まだ大きな症状がでないうちに脳血管などに異常がないかどうかを調べ、必要であれば早めに治療するなど、「早期発見・早期治療」ができれば、脳卒中をおこし、そのまま帰らぬ人になるという悲劇は避けられたかもしれません。

 そんなエピソードもあるので、あの中川大臣の様子を見て、大丈夫かな?と心配するような気持ちを、周囲も記者たちも持たなかったとしたら、それ自体が可哀想なことです。

 もしかして、日本に帰ってから“中川大臣辞任”“麻生内閣総辞職”などというシナリオを描いていたのかも。あとでしっかり追求しようとして、たっぷりカメラに撮っていたのだとしたら、記者たちもしたたかなところがあるものですね。

 そしてお付きの役人たちにも、そんな気持ちがあったのかもしれない・・なんて、本当に一方的な邪推(妄想?)もしてみたりしています。

 いずれにしても、今の日本はこんなことをしている状態ではありません。「100年に1度の大不況」で苦しんでいるのに、こんな醜態をさらす大臣をいただいているのは、あまりに情けないことです。きっぱりと次の大臣に変えてください。(それができないところに、今の政治家たちの罪深さがあるわけですが)

投稿者 tsukada : 2009年02月16日 23:59