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2009年02月17日

漢方薬のすすめ

 「中川財務大臣問題」では風邪薬がずいぶんと話題になりました。「抗ヒスタミン剤」などという名前も登場しました。

 抗ヒスタミン剤は鼻水や皮膚の痒みをとめる働きがあります。一般的な風邪薬にはだいたい入っていますし、アトピー性皮膚炎やじんま疹などの皮膚疾患でも大切な薬です。アレルギー性鼻炎や結膜炎(花粉症も含む)でも主な症状を抑える効果があります。

 ただし問題なのは眠気が出やすいこと。個人差もあるようですが、子どもたちに使っても眠気が強いために減量したり、中止したりすることもあります。大人ではさらに副作用が起きやすく、服用中は自動車の運転などをしないようにお願いしています。

 アルコールと併用すると、眠気は半端ではありません。“ろれつが回らない”だけではなく、意識が低下してしまうこともあります。

 もし彼が風邪薬の副作用で「居眠り会見」を行ったのだとしたら・・今後は抗ヒスタミン剤の説明文書に「重要な会議などの前には飲まないこと」あるいは「飲んだら会議などには出席しないこと」と書かなくてはいけないのかも・・。

 眠気がでない薬は、とくに大人では必要になります。アレルギーの治療薬には、抗ヒスタミン作用を少なくして眠気がほとんどでないものもすでに発売されています(商品名「アレグラ」など)。でも風邪の一般的な薬ではないために、臨床現場では鼻炎症状に効く薬がなかなかないのが実際です。

 そんな時にとても有効なのが「漢方薬」。眠気がでないのが大きな利点です。けっこうよく効くものが多いんですよ。

 鼻水を抑える働きがあるものがあります(「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」など)。皮膚の痒みをおさえる働きがあるものもあります(「消風散(しょうふうさん)」や「治頭瘡一方(ぢづそういっぽう)」など)。

 風邪やインフルエンザの初期症状である寒気やだるさを軽減させる漢方もあります(「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」、「麻黄湯(まおうとう)」、「葛根湯(かっこんとう)」など)。こんな働きは、実は“西洋薬”にはないものなので、とてもありがたい薬です。

 漢方薬というと、長く飲んでいて次第に効果が現れてくる、というイメージがあります。確かに「体質改善」のために長期に服用するものもありますが、本当は即効性がある薬も多いのです。先にあげた感冒に使う薬はまさにそう。

 胃腸炎のときに使う「五苓散(ごれいさん)」も同じで、一回分飲むだけで、吐き気がそうとう軽減されることがよくあります。(私もこの薬で何度も助けられました)

 ということで、眠気の出ない風邪薬が漢方薬にはあります。ぜひ中川さんに薬を処方するときには、漢方薬にしてあげて下さい。

 ・・もっとも、もうすぐ辞任するので、もう関係ないかもしれませんが。

投稿者 tsukada : 2009年02月17日 18:40