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2009年03月18日

プチ卒業式

 水曜の午後は医院は休診。私はその時間を利用して“外回り”の仕事をしています。一番多いのが市の乳幼児健診。ほかには小学校や保育園の健診、FM放送の収録も。時々は学校で授業をしたり、秋には看護大学の講義も恒例行事になっています。

 今日の市の健診は、ある意味で最後の記念すべき日でした。今年度の私の出番は最終日。そして、会場が来年度から変わるために、現在の会場(上越市保健センター)での仕事は、私にとって最後になりました。

 私が開業した1990年からずっとこの会場での健診に出かけているので、丸18年間になります。毎月数回はおじゃましているので、総計ではそうとうの数になります(1か月3回として計算すると600回以上)。

 建物が古くなってきたのが原因なのでしょうか。鉄筋コンクリートの建造物でも数十年の寿命しかないようです。それでスクラップにしてしまうとしたら、もったいないです。

 これまでの会場では駐車スペースが不十分だというのも理由かもしれません。都会の人にとっては想像できないかもしれませんが、地方では人が多く集まる施設には広い駐車場が必須です。

 ほとんどのお母さん方は自家用車でやってきますので、子ども一人に1台の自動車が集まることになります。加えて職員の分も必要です。私も自分の車で行きますので、医師用として数台のスペースを確保しています。

 今の建物にも駐車場がありますが、20台ほどでしょうか。とてもまかない切れず、ほかに施設の駐車場も借りています。そんなことも、引っ越しの理由になっているようです。

 新しい施設は、廃校になった県立盲学校の校舎を市が買い取り、整備したと聞いています。まだ行ったことはありませんが、乳幼児健診の会場として使うだけではなく、子どもたちや障害者たちの福祉全般をサポートするようになるのだそうです。これまでよりも行政の福祉サービスをより充実するための拠点として使われます。

 もちろん駐車場も、これまでとは比較にならないほどたっぷりあるようです。中の様子はまだ見ていないので分かりませんが、きっと使いやすくなっていることでしょう。

 でも実は私にとっては残念なこともあります。それは医院からずいぶんと離れてしまうことです。今までは自動車で5分とかからない距離でした。午前の外来が終われば、少しは余裕をもって“出勤”できました。

 しかし新しい施設は、おそらく自動車で15分か20分くらいはかかりそうです。これまでよりも早く医院をでなくてはいけません。患者さんの多い冬場は、時間的にけっこうきついことになるかも。

 実はこれまでも年に何度かは昼食抜きで出かけていたこともあります。今後はそれがもっと増えるかも。あるいは、運転しながらの“ながら昼食”もあるかもしれません。

 それくらいなら私が我慢すればいいことですが、心配なのは午前の外来がちゃんと終わるかどうか。診察を待つ患者さんを残したまま健診にでかけるわけにはいきません。一方で、お約束している健診の出番を急にやめたり、遅れたりするのも、みなさんに迷惑をかけてしまいます。

 夏場はそれほど外来が混まない時期にあたるので、しばらくは大丈夫でしょう。その間に様子を見ていて、冬場の対応をどうするか、考えていきましょう。

 案ずるより産むが易し。慣れれば何とかなるものかもしれません。(私の昼飯抜きに慣れるのが先かもしれません・・)

 ということで、今日は私にとってある意味で最後の健診となりました。ちょっとだけ“感じるもの”がありましたよ。「プチ卒業式」ということでしょうか、誰も祝ってくれませんですが。

(追伸)この保健センターの建物内には「休日夜間診療所」が入っています。こちらの方はそのまま使い続けるとのこと。健診は広いスペースがあればできますが、診療所は施設や設備がそれなりに整備されていないとできません。毎月1〜2回は勤務している者の立場からは、診療所の方を優先して新しくしてほしかったのですが・・。今の地方の財政事情では、それを許してもらえないようですね。

投稿者 tsukada : 2009年03月18日 23:59