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2009年05月10日

流行させないためにできること

 日本に帰国してきた方に新型インフルエンザが発生し、機内で半径2メートル以内にいた人たちが隔離されています。10日間ほどは発症してこないか、健康チェックをするためですし、もし発症したらその方からさらに感染を拡げるのを防ぐためです。

 ホテルに“軟禁”状態。一人ずつ個室に入り、他の人との接触はできません。食事は大きな食堂でとるようですが、その際も隣の人とは十分に離れているそうです。廊下を歩く程度はできるのだそうですが、その際はマスク着用。もちろん他の人がいない時だけ。そして物に触れないように注意されているそうです。

 今は健康状態に問題のない方ばかり。高校生も含まれています。そんな状態に置かれたら、精神的にまいってしまいそうです。どうしてこんなことをされなければいけないのかと、疑問に思ったり、怒りの感情もでていることでしょう。

 今日の昼のニュース(NHKラジオ)で、隔離されているある外国人の方からお話を聞くことができたということで、さきほど書いたような様子を教えてくれました。でもその方は「とくに不安や不満はない」とおっしゃっていたということです。

 「ホテルにいるのも仕方のないこと。新型インフルエンザを流行させないようにするために、今私ができることはこうしてホテルにとどまっていることだけですから」。そんなふうなことも話しておられたというのです。

 きっと記者は、不自由な生活をおくっていることに対してネガティブな感想を期待していたのではないでしょうか。それが逆にポジティブな意見を返されて、戸惑っている様子が見えるようでした。(私の勝手な想像ですが)

 私はラジオを聞きながら、おもわず拍手を送りました。そんなふうに考えてくれる人がいるのが、とても嬉しかったからです。

 自己を犠牲にしてまでも他人を大切にし、愛する心をお持ちのようです。外国の方なのですが、日本人をとても大切に思ってくださっています。何よりクールです。

 良い意味での宗教心があるのかもしれません。博愛主義、無報酬の愛。日本人にはなかなか言えない言葉ですし、できない考え方です。

 ホテル住まいを余儀なくされている方に連絡がとれる人がおられましたら、ぜひ伝えてください。精一杯応援し、見守っていますよ、と。

 こんな話こそ、ぜひ「エチカ」や「イイ話」に加えてください。私が自信をもって推薦します。

投稿者 tsukada : 2009年05月10日 19:19