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2009年06月30日

締め切り2時間前

 今日で6月が終わり。気づいたら、今年ももう半分が終わろうとしているのですね。早いものです。

 今年は新型インフルエンザが発生したためか、例年とは調子が違っています。いつも何かに追い立てられているような、落ち着かない気分。

 ここ数日は月末の業務に加えて休日診療所勤務もありましたし、昨夜は新型インフルエンザについての研修会もありました。加えて、実は依頼された原稿が一つ手つかずでした。

 学校の養護教諭の先生方を対象にした雑誌『健康教育』(東山書房)に、「腹痛の対処」というテーマで書くように頼まれていました。それが実は今日が締め切りでした。

 先月に話があったのですから、書く時間は十分にあったはずなのに。やっぱり今回も締め切り間際の、やっつけ仕事になってしまいました(T_T)

 多少は資料をそろえたり、関係する本を読んだりはしていました。今日の昼間はアウトラインを考えたりもしていました。しかし、外来が終わった時点で原稿用紙を埋めていたのは、1行目の表題と2行目の署名だけ。つまり真っ白な状態。

 火事場の馬鹿力なのか、何とか原稿を仕上げることができました。締め切りの2時間ほど前です。(本当にお尻に火がついていたのかも)

 原稿は電子メールで送りました。こんな時、メールのできる時代で良かったな、と思います。郵送なら、少なくとも前日の昼間には完成しておかなくてはいけないですから。

 担当の編集者には、「今日が締め切りだければ、必ず今日中にメールで送ります」と、これまたメールで連絡しておきました。きっと原稿が届かず、イライラしていたことでしょう。それでいいですよとの優しいお返事。

 きっと夜中に仕事をすることはなく、明日の朝までに送信できればいいだろうな・・などとまたぞろ甘い気持ちがおきてきましたが、そこはガマン。ダラダラをしていてはいつまでもできないことになりかねません。“一線”を超えないよう、デッドラインは守るように自分に課した次第です。

 ところでメールはやっぱり便利ですね。今回の執筆依頼は、最初は郵送で来ましたが、以降はだいたいメールでのやりとりですんでいます。実は相手の顔も、お声もしらないのですが、そんな“バーチャルなお付き合い”でも、仕事がちゃんとできればそれで良いのかもしれませんね。

投稿者 tsukada : 21:55

2009年06月28日

アジサイ城

 梅雨の晴れ間・・ではなく、空梅雨で雨の降らない日曜の朝、近くの公園を散歩してきました。

 園内のあちこちにアジサイが咲いていました。咲き始めたものもあり、これからもっと見事に咲いてくれそうです。

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 公園の中に“お城”があります。まだ人気のないお城が、アジサイで彩られています。

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 今日は休日診療所で終日お仕事です。さあ、行ってくることにしましょう。

投稿者 tsukada : 07:48

2009年06月27日

一番のクーリングは?

 今日もものすごい暑さでしたね。日本の大部分で真夏日。一部には猛暑日になった地域もあったようです。くれぐれも熱中症など、事故にならないよう十分気をつけていて下さい。

 今日もまた「冷えピタ」の話・・いや「冷却ジェルシート」についてです。

 ある方から質問をいただきました。昔から氷嚢(ひょうのう)を使っているけれど、あれも効果はないのか、と。

 冷却シートができたためなのか、最近は氷嚢は見かけなくなりましたね。一時期、アイスノン(これも商品名?)を冷蔵庫か冷凍庫にいれておき、それを氷嚢代わりに使っていましたが、このアイスノンも今は“絶滅商品”でしょうか。それくらい冷却ジェルが普及したということなのでしょうね。

 私は子どもの頃、この氷嚢が嫌いでした。氷枕もそうです。具合の悪い子どもために母親が作ってくれたわけですから、嬉しいのですが、でもあまりしたくはありませんでした。中で氷がゴツゴツしているのがまずイヤでした。

 それだけならまだガマンができたかもしれませんが、実は冷たさがイヤでした。まるで氷嚢や氷枕の存在そのものを否定するような話ですね。

 体中の余分な熱が、あれだけの氷に吸収され、なくなっていくことを、幼いながら信じられなかったのかもしえませんね。今思えば、科学的な見方の片鱗があったのかも(^^;)

 さらに皮膚表面を冷却しすぎると、その部分の血流が途絶えてきます。血液は動脈血の温度が高くて、末梢から戻ってくる静脈血は冷やされています。それによって体の中の余分な熱が逃げていくという原理になっています。

 寒さが厳しすぎると凍傷になることがありますが、これは血液の流れを遮断することで、体内の熱が逃げていかないようにした結果です。凍傷も重度になると手足の先を切らなくてはいけなくなってしまうこともあります。

 氷などで皮膚表面を過剰に冷やすと、人工的に凍傷と同じ現象をおこしていることになります。そこに血液が流れないわけですから、体温を下げる効果はないことになります。この原理は分かってもらえたでしょうか。

 効果的な冷却をおこすためには、血流がきちんと保たれている必要があります。そして冷やされる血流量がたぷりと多い方がよいわけです。おでこを冷やすよりも、手足を広く露出するなどしてクーリングしたほうがずっと効果が高いことも、ご理解いただけたかと思います。

 風邪などで発熱するとき、その最初は寒気(さむけ)がして、体を温めようとします。いったん熱が出切ると暑いと感じて、涼しくしようとします。衣服をゆるめ、手足を出し、冷たい物を飲みたくなります。このことが自然のクーリングですし、一番確実なクーリングになります。

 人間が本来持っている感性を大切にすることって、大切です。変な知識がじゃましていることって、あるんですね。

投稿者 tsukada : 21:57

感染症情報

○水ぼうそう↑
○マイコプラズマ
△ウイルス性胃腸炎↓
△溶連菌感染症
×インフルエンザ
×おたふく
×麻疹
×風疹

 --------------

 水ぼうそう(水痘)の発生が続いています。伝染力が強く、園や家庭で感染しているようです。ワクチン接種で予防できます(任意接種)。

 胃腸炎は減少。

 マイコプラズマ感染症が目立っています。気管支炎や肺炎をおこし、とても咳が強くなります。喘息の体質がある子は大きな発作をおこすこともあります。効果のある抗生物質が決まっていますので、的確に診断し、治療する必要があります。

 * * *

 暑い日が続いています。湿度も高いので、熱中症になりやすい気象条件です。

 炎天下での外出は控える、日陰や木陰で過ごす、水分をこまめにとるなど・・体調管理に十分注意をしていて下さい。

投稿者 tsukada : 12:52

2009年06月26日

冷却ジェルシートの問題

 昨日書いた「院長ブログ」について、一部訂正や補足があります。

 お子さんが発熱したときに使うことがある冷却用のシートを「冷えピタ」と書きましたが、これは商品名であり、一般的には「冷却ジェルシート」または「ジェル状冷却シート」と呼ぶのだそうです。ちなみに「冷えピタ」はライオンから。日本初の商品は、1994年10月に小林製薬から発売された「熱さまシート」だそうです。のちに「冷えピタ」、久光製薬の「デコデコクール」などが発売されました。

 この冷却ジェルシートは効果に疑問があると書きました。私は個人的にそう思っていますが、公正取引委員会などの公的機関から効果に対して何らかの指摘がされたという事実はないようです。この点は私の勘違いでした。現在も各メーカーから発売されています。

 発熱している体温を下げるという効果はさだかではありませんが、実際に使ってみてお子さんが気持ちよくしているのであれば、それも一つの効果です。お使いになることはかまわないと思います。

 ただし、冷却ジェルシートによって窒息事故が発生しています。2004年4月、北海道にて、生後4か月のお子さんがおでこにこのシートを貼った状態が寝ていました。お母さんが目を離している間にシートがはがれ、口と鼻をおおってしまい、窒息状態になって発見されました。救急処置がとられ、一命は取り留めたのですが、低酸素性虚血性脳症が認めら、将来にわたり全介助が必要なほどの重度な障害が残る可能性が極めて高いとされました。

 この事故を受けて、国民生活センターは同年7月に「熱さまし用ジェル状冷却シートの使用に注意−生後4ヶ月の男児が重篤な窒息事故−」という発表を行っています。メーカーに対しては、窒息事故に危険性があるという表示をすること、はがれないように工夫すること、シートの大きさが子どもの口と鼻をおおわないようにする、などの要望も出しています。(実行されてかどうかは確認できていません)

 ということで、やっぱり問題ありの商品ではないか、と思う次第です。

投稿者 tsukada : 23:21

2009年06月25日

熱中症予防に“冷えピタ”?

 暑い日が続いています。気温が高いうえに湿度もずいぶんと高いので、蒸し暑く感じます。

 過ごしにくいだけではなく、体調を崩したり、熱中症になったりもしやすい環境です。どうぞ十分にお気を付け下さい。

 熱中症は屋外や自動車内だけでおきるとは限りません。家の中にいてもおきます。室内でも、暑い中で十分に水分をとったりせずにいると、発症することもあります。

 仕事や運動をしているときだけでもありません。体を動かしていないときでもおきることがあります。

 風邪などで発熱したときにも、熱中症と同じような危険があります。体温が上昇中は寒気(さむけ)がありますので、温かくするのが普通ですね。

 いったん体温が上昇しきると暑いと感じるようになります。このときには手足を出して、涼しいと感じるようにします。

 ところが逆のことをしている方をときどき見かけます。そのまま厚着をさせていたり、手足をしっかりとおおったままでいたり。

 手足などは自動車でいえばラジエーターの働きをします。体の中に余分な熱があり、それを「放散」する必要があるのですが、手足をおおってしまうと、熱が逃げていきません。その結果、熱が体内にこもった状態・・つまり熱中症になってしまう可能性があるのです。

 おでこに冷却剤を貼っている子もよく見かけます。小児科医でこれを推奨している人は、おそらくいないでしょう。効果がないことを、たしか公正取引委員会も指摘していますが、まだ売られているし、使う方がいるのは、その効果を信じている人たちがいるのでしょうね。

 外来で質問を受けることがあります。本当に効果はないのですか、と。そんな時にはこんなふうにお話をしています。

 最近マラソンの選手がお腹や背中を露出させて走っている姿をよく見かけますが、あれは広い面積の皮膚を露出させることで、クーリングするため。もし“おでこ冷えピタ”がそんなに効果があるのなら、マラソン選手もみんな使うでしょう。でもそんな姿は想像できませんね。・・そんなたとえ話をすると、よく理解してもらえます。

 熱中症の予防に“冷えピタ”を・・などと宣伝するメーカーはいません。それなのに、子どもの発熱に効果のないものを発売しつづけるのは問題があるのでは。それを信じて、かえってお子さんの体調が悪くなってしまわないか、心配です。

 流行や宣伝に流されない確かな知識を。そして、きちんと自分で考える習慣づけを。・・今の私たちに欠けていることだと思っています。

投稿者 tsukada : 23:59

2009年06月23日

怖い話のでてくる本

 梅雨真っ只中の日本列島。西日本は大雨で大変なことになっているようです。東日本では蒸し暑くて、これもまた大変でした。

 関東では真夏日のところが多かったとか。湿度も高いので、過ごしにくいですね。熱中症にならないように、ほんとうに注意をしていて下さい。

 そんな暑い中、私は肝を冷やすような思いをしています。その原因は・・先日から読み始めたある本にあります。

 といっても妖怪やお化けがでてくるわけでもありません。今大人気のあの小説でもありません。『新型インフルエンザ対策マニュアル』という題名の医学書です。

 強毒性の鳥インフルエンザが発生し、パンデミックになったとしたら、医療機関はどのように対処すべきか、ということが具体的に書かれています。なぜそうなるのか、といった理論づけもしっかりしています。そして、もしきちんとした対応がなされなければどうなるか、といった“予言”も自ずから導きだされます。

 げんざい問題になっている弱毒性の豚由来新型インフルエンザについても、そのままそっくりあてはまります。毒性が弱いだけに、逆に豚由来新型インフルエンザのほうが、私のような開業医には脅威だと、しだいに感じるようになりました。

 なぜなら、強毒性であれば発症後ただちに命にかかわるような重症の症状がでるわけですから、患者さんは病院に向かうでしょう。弱毒なインフルエンザであれば、開業医に診療を求めることになるはずです。

 さらに、弱毒の方が流行がいっきょに拡がるから。強毒では、症状が重いので患者さんはじっとしているはずです。弱毒であれば、普通の感冒や季節性インフルエンザと同じように、広い範囲に出かけ、多くの人たちと接することになりかねないからです。

 ということで、今冬に予想されている新型インフルエンザ流行の第2波のことを考えると、いったい自分に何ができるのか心配になってくるのです。地域の子どもたちの健康や安全に少しでもお役にたてたいと日頃から思ってはいるわけですが、このままでは“空回り”になりかねません。

 先日政府は新型インフルエンザについての行動指針を見直しました。これまでは特定の病院だけが新型インフルエンザの診療をしていましたが、今後は原則としてすべての医療機関が行うことになります。とは言っても、他の患者さんたちと接してはいけないので、専用の外来を設けることが条件です。

 診察室などを完全に分けるか、あるいは時間的に分けるかのどちらかが必要です。小児科外来では、ふだんから一日中“発熱外来”を行っていますので、ある時間帯を新型インフルエンザの診療にあてるというのは、まず不可能でしょう。とくに蔓延期になって、患者数が急激に増加したときには対応できなくなります。

 時間的に区分するのが無理であれば空間的に区分することになります。しかし、小児科外来の様子を思い浮かべていただければお分かりいただけることでしょう。冬場はとても患者さんが多くなり、ただでさえ“いものこを洗う”ような状態です。簡単にできることではありません。

 さらに、抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ)をどのように確保するべきか。検査キットもそうです。看護師をはじめてしたスタッフも、新型インフルエンザに罹患してしまって休む状況もあるでしょう。私(院長)がかからないですむという保証もありません(“濃厚感染”するので、真っ先にかかるかもしれません)。

 そんなことをいろいろと考えていると、背中に悪い汗が垂れてくるようです。

 新型インフルエンザの流行なんておきないよ、おきてもたいしたことないよ、何とかなるよ・・そんな声もどこかから聞こえてきそうですが。

 いま私の頭の中にある心配が、“夏の夜の夢”で終わってくれればいいのですが。しかしこの本を読む限りでは、全く逆のシミュレーションを予想しておかなくてはいけないようです。

 あと数か月もすると秋、そして冬。インフルエンザ・ウイルスの大好きな季節になっています。その時になって慌てなくてもすむように、後悔しなくてすむように、今できることをしっかりと考え、実行していこうと考え始めているところです。

投稿者 tsukada : 23:23

2009年06月22日

巨大フィギア誕生

 保育士さんたちが、またまた作ってくれました。今回はプーさんです。

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 とても大きなものだというのは、後ろに写っているフィギアを見ればおわかりでしょう。窓際に置いてあるものを“ビッグ・フィギア”と呼んでいますので、このプーさんはさしずめ“ジャイアント・フィギア”でしょうか。

 廃棄寸前の診察券を“有効活用”して生まれたもの。そんな意味では“リサイクル・フィギア”、あるいは“リユース・フィギア”でもあります。

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 近くに寄ってみると、その出自が何かがよく分かりますね。

投稿者 tsukada : 21:25

2009年06月21日

熱中症に注意を

 今日は夏至。一年で一番昼間の長い日でした。そして暑かったです。昨日は30度を超えていたと新聞にありましたが、今日もおそらく真夏日だったことでしょう。

 梅雨空のもと、うっというしいほどの暑さ・・そんな中で、心配していたことが起きてしまいました。新潟県内で幼い2人の子どもたちが、熱中症で命を落としたのです。

 家族で東京方面から自家用車で早朝に戻ってきたけれど、子どもたちがよく寝ていたので、そのまま後部座席に置いておいたとのこと。その後昼くらいになって自動車を見に行ったら2人ともグッタリしていて、その後死亡が確認されたということです。

 数時間ものあいだ、車内に閉じこめられていた子どもたちを思うと、辛いです。いや、ご両親こそ、さぞ辛い思いをされていることでしょう。

 でも、あえて言わせて下さい・・どうしてお子さんを家に連れて行かなかったのですか。熱中症にならないとしても、幼い子どもだけを車内に置いていて何も心配ではなかったのですか。

 報道の内容だけからの判断であり、本当はどんな事情があったのかは分かりませんが、でもやっぱり子どもたちの命が粗末にされたように感じられてしかたありません。

 まだ0歳と1歳の幼い子どもたち。もっともっと長く生きられたはずなのに。

 これから暑い日が続きます。もうこんな事故、あるいは事件はおこさないよう、くれぐれも注意をしていて下さい。本当にお願いします。

投稿者 tsukada : 23:00

2009年06月20日

今週の感染症情報

○ウイルス性胃腸炎
○水ぼうそう
△溶連菌感染症
×インフルエンザ
×おたふく
×麻疹
×風疹
--------------

 今週も大きな流行はありません。

 ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)は規模は小さいですが、まだ発生しています。インフルエンザと同様に冬の代表的な感染症なのですが、暑い季節になっても見かけています。これからは食中毒によっても胃腸炎がおきますので、食品の衛生管理にもご注意下さい。

 水痘、溶連菌感染症は先週と同じ程度でした。

 先週はおたふくかぜ疑いのお子さんがいましたが、詳しい検査では別の耳下腺炎でした。

 * * *

 新型インフルエンザは今は冬を迎える南半球で大流行しています。北半球も次の冬場に大きな流行がおきることでしょう。

 政府の対応が変更され、「発熱外来」は作らず、一般の病医院で診療します。ただし、他の患者さんと一緒にならないよう対処が必要です。

投稿者 tsukada : 13:35

2009年06月19日

日本脳炎予防接種の準備ができました

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 現在市町村ではワクチンの副作用を心配して、積極的には日本脳炎の予防接種をおすすめしていません。しかし、このまま日本脳炎に対して「無防備」でいることも心配です。

 子どもたちを日本脳炎から守るためには、やはりワクチン接種は必要です。

 より副作用の少ないワクチンが新しく発売され、1期については公費で使用できるようになりました。(2期については、公費では従来のワクチンのみ)

 当院ではひきつづき日本脳炎の予防接種を行っています。2種類のワクチンとも在庫がございます。対象のお子さんはぜひ受けるようにして下さい。

※接種の年齢
 1期:生後6か月〜7歳半未満(標準は3歳で2回、4歳で1回)
 2期:9歳〜12歳(標準は9歳で1回)

投稿者 tsukada : 11:26

2009年06月18日

水道水は安全?

 先日、夏の水分補給には水道水が一番だと書きました。それについて、お問い合わせをいただいています。簡単に書きましたので、お読み下さい。

 基本的に水道水は安全です。多種の基準があり、それに適するものを上水道として供給しています。水道管を流れてきて、蛇口から出た直後の水質が問題ないことが保証されていると考えてください。(例えば大腸菌は一定の数以下になっています)

 ただし・・長い時間、貯留している水道水は質が低下している可能性があります。たとえば長い時間、蛇口を閉めたままにしてある場合。(蛇口を開いて、水の温度が下がってくれば、その後の水道水は問題ありません)

 マンションなどに貯留してある水について、そのままでは飲用に適しません。簡易水道なども対象外です。

 赤ちゃんや子どもに「湯冷まし」を使うことが多いようですが、いったいどんな意味があるのでしょうか。

 一度沸騰させるので、その時は雑菌がいなくなるでしょう。でも、消毒のために入れてある成分(塩素)もなくなるので、冷えたあとは急速に雑菌で汚染されていきます。すぐに使うのであればいいのですが、長い時間使うというのは問題です。作り置きはできません。

 冷やすために使う容器も、きっと雑菌がついているでしょうから(量は少ないので、すぐに問題になることはありませんが)、中にいれる「水」にだけ注意をはらっていても、あまり意味はありません。

 赤ちゃんでも、水道水をそのまま飲用して何ら問題はありません。

 ただし・・生後6か月までは母乳などの乳汁以外にはいっさいの水分摂取は必要ありません。湯冷ましも不要ですし、まして果汁などは与える必要はありません。汗をかく夏場でもそうですし、入浴後でも乳汁以外は不要です。(2年ほど前に「授乳・離乳の支援ガイド」が発表され、考え方が変わっています。)

 医療の現場でも、水道水は普通に使っています。
・小児の水薬に「水」を加える場合には、水道水を使っています。(滅菌水や蒸留水は殺菌力がなく、長持ちしません)
・手術の際の手洗いなどを水道水で行うのも普通になってきています。
・けがや火傷の処置でも、消毒はせず、水道水できれいに洗うのが、今では普通のことです。

 以前は上水道を通じてクリプトスロリジウム感染症が発生した事がありました。塩素消毒では除去できないためです。今はその点も改善されつつあるようです。

 正確さに欠ける書き方でなかなかご納得いかないかもしれませんが・・。「水道水は安全」であり、さらに「水道水こそ安全」だとご理解下さい。

投稿者 tsukada : 18:00

2009年06月16日

その電気はどこから?

 梅雨というのに雨が降りません。気温も高くなり、さらに湿度もけっこう高いので、“不快指数”はそうとう大きくなっていることでしょう。今年もこのままいくと空梅雨(からつゆ)? そして水不足の夏になるのかも。心配のたねはつきません。

 東京電力は、今年の夏場は電力不足はおきないでしょうと発表しました。首都圏のみなさん、良かったですね。実はその陰に新潟の存在があるのをご存じですか?

 それは新潟県内にある原子力発電所が大いに関係しています。一昨年の大地震で、柏崎にある原発がすべてストップしました。放射線漏れはなかったようですが、施設や設備が壊れてしまったためです。

 2年ほどでようやく1基が復旧しました。先月から運転を再開し、現在は100%の営業運転ができるまでになったのだそうです。それによって、夏場の電力事情に余裕ができたというわけです。

 新潟県で作った電気が日本列島を縦断し、はるか離れた関東まで送られています。ずいぶんと無理をしているようにも思えます。放射能もれなどの事故のリスクがあるのは当地です。東京ではありません。そして、新潟県内ではその電気は使われない・・。釈然としないものがあります。

 原子力発電はクリーンだと、よく宣伝しています。運転によって二酸化炭素は出さない、というのがその理由のようです。しかし、実はそれがウソだというのは、先にある新聞にでていました。

 発電機からは二酸化炭素はでないのでしょうが、発電している工場全体ではそうとう大量の電気を使っています。原発で使う原料の加工にも、そして核燃料の再処理のために使う電力は桁違い多いのだとか。

 冷却のために大量の水をつかっていますが、温水となって捨てられていくので、地球温暖化をすすめてしまうことになりそうです(量的には問題とすべきかどうかは分かりませんが)。

 そして何より、万が一の事故の際に放射能が漏れる可能性はやはり否定できません。人間に対する影響も大問題ですし、環境に与える影響も心配です。

 東京電力の電気をお使いの方で、こういった電力の“仕組み”を気にされているかたはそんなにはおられないでしょうね。でも、たとえば職場やデパートでエアコンの冷風にあたる時、あるいは家で冷えたビールを飲むとき、少しだけ思い出していただけるとうれしいです・・その電気を作るためにリスクを新潟県民に押しつけていることを。

投稿者 tsukada : 23:59

2009年06月15日

夏を元気に乗り切るための水分補給

 梅雨に入り、夏間近。暑くなると水分のとり方にも注意が必要ですね。『ほけんニュース』(少年写真新聞社発行)に注意点を書きました。参考にして下さい。

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<夏を元気に乗り切るための水分補給>

 人間の体には生きていくために水は絶対に必要です。体のすみずみが水で満たされることで、すべての細胞や組織は活動できますし、そこでできた老廃物は体外に尿として運び出されます。

 大人では体重の約60%が水ですが、年齢が小さいほど水の比率が高まり、赤ちゃんは70%ほどにもなります。その水は自分で作り出すことができません。

 尿だけではなく、汗、息、便などを通して、たえず水分が体外に出ています。失われた水分に見合うだけの水を、たえず食事や飲み物として体の中に取り入れる必要があります。子どもは汗をよくかくので、大人以上に水分を失いやすいといえます。

 蓄えが少なくなると脱水状態になり、とても具合が悪くなります。子どもたちは少しのことで脱水になりやすいので、注意が必要です。

●1日に必要とする水分量は?

 一日にどれくらいの水分をとっているか、考えてみましょう。赤ちゃんが200mlの粉ミルクを1日に5回飲んでいるとすると、1日に1リットルの水分をとっていることになります。年齢が大きくなるほど水分の必要量が増えていきます。大人では1日に2~3リットルになりますので、子どもたちはだいたい1~2リットルは毎日水分をとる必要があります。

 まとめてたくさん水分をとって蓄えておくということができないので、こまめに水分摂取をする必要があります。大人では「1日3食+間食」で足りますが、子どもはもっと回数を多くしなくてはいけません。

 とくに夏場では汗を多くかきますので、それだけ頻回に水分をとる必要がでてきます。

●どんなもので水分補給しますか

 ではどんな飲み物がよいのでしょう。病気で吐き気や下痢をしている場合は別として、普通は水道水で十分ですし、それが一番衛生的です。赤ちゃんでも湯冷ましを作る必要はありまん。麦茶やイオン飲料などでなくてもかまいません。ミネラル分や糖分は食事やおやつから十分補給されます。

 汗をたくさんかくとミネラル分が失われますので、もし食べ物をとれない時にはスポーツ飲料が良いでしょう。(ペットボトルに口をつけると雑菌が混入しますので、その場で飲みきらない時には必ずコップに移して飲んでください。)

●こまめな水分補給を心がけて

 水分の補給が大切とはいいましたが、計算しながら飲む必要はありません。人間には脱水にそなえるためのシステムがあります。「のどの渇き」です。飲みたくなったら飲むということで、必要な水分を取り入れています。

 ただし“がぶ飲み”はいけません。水のとりすぎになることがあります。まずはコップ半分程度くらいをゆっくり飲んで、のどの渇きがなくなればそれで終わりにして下さい。

 (「ほけんニュース」2009年7月、少年写真新聞社発行)

投稿者 tsukada : 14:36

2009年06月14日

日本海の夕日です

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投稿者 tsukada : 18:27

もう一つの記念日

 今日は塚田こども医院の設立記念日。19周年になります。1990年の今日、開設しました。

 職員からはお祝いをいただきました。ありがとうございました。

 こんなカードがそえられていました。

2009061402.jpg

投稿者 tsukada : 18:23

先週の感染症情報

○ウイルス性胃腸炎
○水ぼうそう
△溶連菌感染症
△百日咳
×インフルエンザ
×おたふく
×麻疹
×風疹
--------------

 先週は感染症の大きな流行はおきていません。ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)がまだ流行していますが、下火には向かっています。

 先週多かった水ぼうそう(水痘)も、今週はやや少なめ。しかし伝染力が強いので、今後しばらくは流行が続くでしょう。

 成人の百日咳患者さんを確認しました。咳が強く長びいている場合には心配。百日咳にかかっている大人の方は少なくないようです。

 ****

 新型インフルエンザは南半球でも流行し、警戒レベルが「フェーズ6」に上昇。地球規模での大流行(パンデミック)と見なされました。

 日本でも秋以降に、大規模な第2波がくることでしょう。今から準備に努めていてください。

 ****

 本日は当院の開院記念日、創立19周年になります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

投稿者 tsukada : 12:22

2009年06月13日

パンデミック

 新型インフルエンザがフェーズ6に引き上げられました。世界規模での大流行を意味しています。

 メキシコで誕生し、北米大陸で流行した豚由来の新型インフルエンザは、今は南半球で大流行中。やはりインフルエンザは冬が大好きのようです。

 2つ以上の大陸でまん延したことを受けて、パンデミックの指定を受けました。数ヶ月すれば北半球も夏が終わり、秋になり、そして冬に向かいます。日本をはじめとして、ヨーロッパや北米などで大きな流行になるのは確かでしょう。今から覚悟をしておかなくては。

 毒性の点では「中等度」であることは、幸いなことでしょう。しかし、「軽度」である季節性インフルエンザでも、毎年大きな流行になり、死者もけっして少なくありません。インフルエンザが直接の死亡原因となっている方もいます。インフルエンザをきっかけに持病が悪化して亡くなる方もいます。それらをあわせると、日本では毎年、数万人の方がインフルエンザに関係して死亡しています。

 強毒性ではなくても、やはり十分に警戒しておく必要はあります。

 ところで季節性インフルエンザの流行の仕方が変化してきているようです。これまでは冬の感染症だとされていました。しかし、例えば今年は春になり、5月になってまだ流行が続いていました。これは今までに経験したことがありませんでした。

 実は6月というのにまだ流行している地域があります。沖縄県です。ここでは過去数年間、夏場での流行が報告されています。もともと暑い地域ですので、インフルエンザが流行すること自体が、今までのイメージには合いません。そして、夏場になっても流行しているとは・・。

 実際に熱帯地方では一年中インフルエンザが流行しているとのこと。ウイルスの性質が、どうも違うようです。その“暑さ大好きインフルエンザ”が、日本にやってきているのかもしれません。

 もはやインフルエンザは冬だけではないとなると、対策もかえていかなくてはいけないでしょう。現在はワクチン接種を冬になる前(11月ころ)に行っていますが、これからは春先にももう一度行ったほうが良いことになります。そんな議論も、一部では出始めているようです。

 新型インフルエンザについても、もしかしたら秋をまたずに日本でも流行が始まるかも。そんな意味でも、パンデミック・インフルエンザに備える準備を確実に、そして強力に推し進めていく必要があります。

 ことさらに慌てることはない。怖がることもない。でも、侮ってはいけない、ということです。

投稿者 tsukada : 23:59

アツい一日

 今日は午後から東京に出張。2つほど用をたし、慌ただしく帰ってきました。アツかったですね。

 もう夏かと思うような日差し。そして何より人がたくさん。地方暮らしの私にとっては、どうしてこんなに大勢に人がいるのか不思議に思うほどの数。

 たまにしか東京に出てこないので、人ごみにはどうしても慣れません。アツいと思うのは、そんな気持ちからなのかもしれません。

 もっとも新潟も暑いです。梅雨に入ったのに雨もほとんど降らず、気温だけが高くなっています。おまけに蒸しているので、体感気温は真夏並みです。

 明日は市内の小学校で“課外授業”です。日曜日にもかかわらず、4年生以上の子どもたちと親御さんが集まるのだそうです。ご苦労様です。

 体を動かして快い汗をかくのならいいのですが・・。体育館でするのかな。きっと暑い中でするのでしょうね。熱中症にならなければいいけれど。

 でもきっと私は悪い汗をかきそうです。冷や汗でしょうか、脂汗でしょうか・・。

投稿者 tsukada : 22:29

2009年06月12日

今日は記念日

 今日は当院に併設しているわたぼうし病児保育室の開設8周年にあたります。21世紀最初の年=2001年の6月12日が“お誕生日”です。

 当初はほんとうに小さな規模でした。医院2階の一部を使って、2名の保育士がお子さんたちをお預かりしていました。利用者も最初は“ビックリするくらい”少なめ。

 でもしだいに利用が増えていき、手狭になったために新園舎を建設。保育士は今では6名に。利用者数は“ビックリするくらい”多くなりました。ここ数年は年間で1,800〜1,900名。一日あたりでは8名近くになります。

 形も内容も、ぐんぐんと発展し、大きくなってきたことを、改めて実感しています。(今日も14名のお子さんをお預かりしています)

 今年度より市の病児保育事業の委託を受けるに至りました。「公的な存在」となることは長年の悲願(?)でしたので、ようやくそれがかないました。(いままでは日陰者?)

 子育て支援、そして働く女性の支援のためにもますます期待されている病児保育・・その意味合いをぐんとかみしめながら、今日の8周年の記念日を迎えました。

 職員一同、初診を忘れず、さらによい病児保育が行えるよう努力していきます。これからもどうぞご声援いただきますよう、よろしくお願いいたします。

投稿者 tsukada : 20:44

おわび

 この院長ブログをお読みいただき、ありがとうございます。過去の一部が見れなくなっているとご指摘をいただきました。確かに「2005年04月」のアーカーブを開くことができなくなっています。

 調べてみたのですが、サーバーの中からこの月の分がそっくりなくなっていました。原因は不明です。(きっと私がどこかでミスったのでしょうが・・)

 ブログについてはバックアップをとっていませんでした。そのため復旧することはできません。もしかしてひょんなところから顔をのぞかしてくれれば・・と思うのですが、おそらくかなわないでしょう。

 ということで、2005年04月分についてはお読みいただけません。御了承下さい。

投稿者 tsukada : 20:37

2009年06月11日

ハマーに暗雲?

 アメリカ自動車産業ビッグ3の一つであるGMが事実上の倒産をし、ハマーの生産を打ち切る方針だということはこの院長ブログでも書きました。どうも中国の会社が引き継ぐことになりそうだとも。

 でも、この「中国製ハマー」はもしかしたら実現しないかもしれません。名乗りをあげた会社「四川騰中重工機械」が、じつは資本力が小さく、生産する能力に疑問が持たれています。この会社はこれまで大型重機などが主であり、乗用車の生産をしていないのだそうです。

 ハマーの“先祖”は装甲車であることは確かですし、乗り心地を追求した自動車ではないでしょう。それでも、今のハマーは軍用車ではありません。戦場を駆け抜けるわけではなく、平和で平坦な道路を走っています。ブルドーザーやトラックといっしょにされては、プライドが許しません(誰のプライド??)。

 さらにもう一つ・・中国政府がどうもハマーに好感をもっていないようなのです。大量の燃料を使い、環境に優しくない自動車だというイメージを持っているようです。これからの中国にはふさわしくないのだとか。

 そうなると、メーカーの問題ではなく、中国で引き受けることはないということになります。さてさて、どこでハマーの生産が続けられるか・・あるいは、ハマーの生産そのものが続けられるのかという、根本的な問題にまでなってきました。

 ハマーに暗雲がたれこめてきました。ハマー好きな私にとっては気になる話です。(ほとんどの方には関心はないでしょうね。もしかしたら、これを期に、本当にハマーの生産が終了した方が、地球環境には良いと思う方が多かったりして・・)

投稿者 tsukada : 23:45

梅雨入り

 昨日新潟は梅雨入りしました。関東・甲信・北陸・東北南部などもいっしょです。今日はさらに東北北部にも梅雨入り宣言が出されたそうです。

 たしかにこのところムシムシとした日が多かったです。気温がぐんと高くなることはなかったけれど、湿度は高く、過ごしにくかったですね。・・その分、冷たいビールが美味しくなりましたが(^^;)

 昨日は夕方から夜にかけて雨模様。でも今日は雨があがり、曇りの一日でした。週間天気予報でも雨の日は少ないようで、どうも今年は“から梅雨”になってしまうかも。

 新潟は冬の降雪量がさほど多くはありませんでした。「少雪」だったうえに、もしも梅雨の降雨量が少なかったら、間違いなく夏の渇水がおきてしまいます。想像するとゾッとしてしまいます・・。

 大雨で被害がでるのも困りますし、毎日雨が続くのもいやですが、でもやっぱり梅雨なのですから、ほどほどには降ってもらわないと。自分の役割をしっかりと果たすこと・・お天気にも求められているようですよ。

投稿者 tsukada : 23:30

2009年06月10日

パンデミック前夜

 日本では流行の拡大がとまって、目前の危険がとりあえずなくなったかに見える新型インフルエンザ・・しかし南半球では大流行になってきました。オーストラリアではすでに1,000を超えたそうです。

 北半球では夏に向かっていますが、南半球は季節が逆。インフルエンザ・ウイルスが大好きな寒い季節になってきました。おそらく今後さらに多くの患者発生があり、大流行になることでしょう。

 WHOは新型インフルエンザの流行規模を現在のフェーズ5からフェーズ6に引きあがる方針だそうです。パンデミック=世界的な大流行になったという判断です。(ちなみに「6」は最高段階)

 これまでの流行が北半球、とくに北米大陸(メキシコ、アメリカ、カナダなど)が中心でしたが、ほかの大陸や地域でも大きな流行になってきたというのがその根拠。今後は世界中のどの地域や国で流行が始まってもおかしくない状況です。

 WHO内部では以前からフェーズ6への引き上げは検討されていたのだそうです。とくに日本での流行が、関西の高校生を中心に一挙に拡大するかに見えていたころがそうです。結果としてこの時はそのままフェーズ5のままでいましたが、今回は違うようです。(発表は明日、正式に行われる見通しです)

 しかし、フェーズ6になって、直ちに何かが変わるわけではなさそうです。今回のブタ由来の新型インフルエンザは弱毒性なので、渡航制限もせず、基本的には季節性インフルエンザと同じ扱いでよいとするのがWHOの考え方のようです。

 フォーズの決め方は、本来は流行の規模だけを考慮することになっています。新型インフルエンザが強毒であるか、弱毒であるかは関係ありません。SARSやエボラ出血熱など、強力な毒性をもつウイルスでも同じです。

 ですのでフェーズ6になったからといって、直ちに怖がる必要はありません。でも・・一般的には、フェーズが最高段階まで引き上げられるとなると、やはりそうとう怖いウイルスだろうと受け取られやすいでしょう。無用なパニックがおきるのも心配だということで、WHOは慎重な態度をこれまでとってきたようです。

 日本では、秋以降に「第2波」の流行があることでしょう。それもそうとう大規模に。それに備えるよう、今から着実に準備をしておきたいと思っています。

 一小児科医院としては、小児が新型インフルエンザにかかったときの診療体制をきちんと作っておきたい。政府の行動計画では、新型インフルエンザの診療は流行前であれば感染病棟をもっている指定医療機関(大きな病院)が行い、流行期にはできるだけ自宅待機を指示することになっています。でもそれは「絵に描いた餅」。少なくとも小児患者については、まったくあてはまりません。

 「発熱外来」が作られても、ただ熱をだしたというだけで発熱外来を受診するよう指示されたのでは、たちまち患者さんであふれてしまいます。行き場所のない患者さんは、いっぱんの診療所や病院に向かうことでしょう。小児科医院は、きっと多くの患者さんであふれかえる事態になりかねません。

 新型インフルエンザ患者さんだけを簡単に選び出すことはできません。普通の風邪などと症状からは区別するのは無理でしょう。季節性インフルエンザが流行していれば、検査キットも役にたちません。結局、新型インフルエンザと分からずに診療をすることになるでしょう。

 そんな混乱した状態は必ずおとずるはず。問題はいつおきて、その規模がどの程度かということ。迎え撃つことになる小児科医院として、どんな準備をしておけばいいか・・今真剣に悩み、考えています。

 きちんとした対策を今からしっかりと作っておかなければ、いざという時にお役にたてないことでしょう。地域の子どもたちを守ることができなければ、何のために小児科医をし、小児科医院を開いているのか、その根本を問われることになりかねません。

 手をこまねいているわけにはいきません。持てる全ての知恵を動員して、有効な対策をつくることができないものかと本当に考えています。それがどんな形になるか・・まだ答えは見つかっていません。

 でも時間はあまりないと思っています。早急にアクションをおこさなくては。

投稿者 tsukada : 23:59

2009年06月09日

サツキがきれいです

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 梅雨入り前の新潟では、サツキが咲いています。医院駐車場に植えてあるサツキも、見事な花を付けてくれています。

 今月は当院の開院記念の月。19年前の今頃・・梅雨入りを間近にしたころから医院を始めました。サツキの花を見ると、開業当時のことを思い出します。

 職員もまだ少なく、それほど忙しくはありませんでした。でも、病院に勤務していたころとはいろんなことが違っていて、慣れるまでは気持ちは落ち着かなかったものです。

 よく「初心に帰れ」という話があります。私にとっての「初心」は、一つは医師になったころですし、もう一つは開業当初のことでしょう。知識も技術もまだまだでしたが、でも「何かを目ざしていた」ことは確かです。その何かを、今でも持ち続けている・・かな?

 小児科医院を開業して19年、医師になって28年・・月日はずいぶんと流れたものです。でも、まだ今の仕事をがんばらなくっちゃ。自分自身のためにも。そして、地域の子どもたちの笑顔のためにも。

投稿者 tsukada : 23:59

2009年06月06日

今週の感染症情報

○水ぼうそう↑
○ウイルス性胃腸炎↓
△溶連菌感染症
×インフルエンザ
×おたふく
×麻疹
×風疹
--------------

 水ぼうそう(水痘)の発生が増加しました。伝染力が強いので、園などで流行しているようです。

 大人の方もかかることがあります。幼児期の罹患歴がはっきりしていない方は抗体検査を受けてみて下さい。免疫がなければワクチン接種をお勧めします。(いずれも自費)

 胃腸炎の発生は減少、夏場は少なくなります。溶連菌感染症も少なめでした。

 季節性インフルエンザの発生は今週もなく、やはり終息したものと思います。新型インフルエンザの発生は、今週は新潟県内ではおきていません。

投稿者 tsukada : 13:52

2009年06月05日

新刊紹介

 ここ数年、子育て界(?)のバイブルとまで言われるようになった「子育てハッピーアドバイス」シリーズに、また新しいタイトルが加わりました。「小児科の巻」です。

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 スクールカウンセラー・医師の明橋大二先生と、小児科医の吉崎達郎先生の共著です。これまでのシリーズは子育てについて、おもに心理面からのアドバイスをしていただくというものでした。今回は小児科医が参加し、子どもたちの病気について、分かりやすく解説してくださっています。

 明橋先生からサイン入りで御著書を贈っていただきました。感激です。さっそく手にし、中を読ませていただきました。小児科医としてお話ししたいことが全部書いてあります。これがあれば、もう育児書はいりません・・。

 というより、育児書には書いてないような内容がふんだんに書かれています。子どもたちに対するまなざし、そして親御さんに対する思いが温かい・・体温を感じることのできる本です。そんな育児書って、今までにはなかったですね。

 ぜひ本屋さんでこの本を手にとってみて下さい。そして、できれば買って読んで下さい。きっと子育てにお役にたてることでしょう。

●『子育てハッピーアドバイス 小児科の巻』
 著 者:吉崎達郎、明橋大二
 発行所:1万年堂出版
 価 格:本体933円+税

投稿者 tsukada : 18:40

2009年06月03日

いつかはハマー

 「いつかはクラウン」・・そんなキャッチフレーズがありました。日本車の中では最高級というイメージがクラウンにあった時代のCMです。

 「いつかはハマー」・・私の頭に中に繰り返し出てくるフレーズです。アメリカGMの最高級クラスの自動車です。アメリカの繁栄を体現したような自動車でもあります。

 そのGMが実質的な経営破綻に陥りました。政府が株主になり、経営再建に乗り出します。いくつかのブランドはなくなってしまうのだとか。その一つがハマーだと言われてきました。

 存続の危機に立たされていたハマーですが、身売りが決まったそうです。中国の重機械などのメーカー「四川騰中重工機械」がその企業。このニュースを知って、ちょっと複雑な気持ちです。

 アメ車の代表格の自動車が中国製になってしまうとは。今のアメリカと中国の経済状況が反映されたような話ではありますが。

 ハマーは大型スポーツタイプ多目的車(SUV)。そのルーツは軍用車です。装甲車をベースに作られました。初代は「H1」と呼ばれ、バカでかいのですが、そのあまりの燃費に悪さのために売れなくなり、数年前に生産が打ち切られました。

 次に出ていたモデルが「H2」。これも日本人の感覚からはそうとうでかいです。最近出てきたニューモデルは、やや小型になり、室内もヨーロッパ調になり、軍用車のいかついイメージはなくなってきました。(逆に言えばハマーらしくなくなったということかも)

 そんな大好きなハマーに乗ったことがあります。半年ほど前のことです。長岡市でのモーターショーの会場です。

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 これはH2。ほんとにでかいです。他の自動車は自由に中を見て良かったのですが、ハマーにはしっかり鍵が。係の方にお願いし、おそるおそる運転席にも乗ってみました。

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 そんなハマーと2ショット写真を撮りました。院長、ご満悦(^^)/

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 これはH3。ハマーの中では小さめですが、それでもけっこうは大きさです。私にはこれでももったいないくらい。

 「いつかはハマー」。さてさて、いつかなうことやら。そしてそれは「Made in China」になっているのかな。ちょっと夢がさめてきちゃうな・・。

投稿者 tsukada : 19:56

2009年06月02日

上越市広報より

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投稿者 tsukada : 17:14

2009年06月01日

6月・・水無月(みなづき)

 6月になりました。世の中は「衣替え」だということですが、今日はお天気はどうだったのでしょう。けっこう気温が高くなっていたようですね。

 日中はずっと建物の中にこもっているので、外の様子が分かりません・・今思い出しましたが、今日は診療中に一度外にでました。けいれんをおこしたお子さんが救急車で搬送されてきたので、お迎えにでました。たしか、その時は晴れていましたね。(お子さんは通常の熱性けいれんで、すでに元に戻っていました)

 夜になって夜間診療所に出かけてきました。7時ころに医院を出て行ったのですが、まだ外は明るかったですね。昼が長くなってきました。

 新型インフルエンザが新潟県内でも患者発生があったということで、何か影響があるかもしれないと思っていましたが、医院でも夜間診療所でもとくべつなトラブルはありませんでした。高熱の方など、多少心配な人にインフルエンザ検査を行いましたが、もちろん陰性。季節性インフルエンザが当地ではほぼ終息してくれたので、対応がしやすくなりました。

 6月というのは子どもたちがあまり風邪などをひかない季節。体調がよく、勉強やいろんな活動に集中しやすい頃です。新型インフルエンザの騒動がおきず、それぞれのことを思いっきりやれればいいですね。

 当院から毎月発行している「こども通信」・・6月号ができました。HP内にアップしてありますんので、どうぞお読み下さい。新型インフルエンザについても、ちょっと皮肉混じりに一文したためておきました。

投稿者 tsukada : 22:25