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2009年06月13日

パンデミック

 新型インフルエンザがフェーズ6に引き上げられました。世界規模での大流行を意味しています。

 メキシコで誕生し、北米大陸で流行した豚由来の新型インフルエンザは、今は南半球で大流行中。やはりインフルエンザは冬が大好きのようです。

 2つ以上の大陸でまん延したことを受けて、パンデミックの指定を受けました。数ヶ月すれば北半球も夏が終わり、秋になり、そして冬に向かいます。日本をはじめとして、ヨーロッパや北米などで大きな流行になるのは確かでしょう。今から覚悟をしておかなくては。

 毒性の点では「中等度」であることは、幸いなことでしょう。しかし、「軽度」である季節性インフルエンザでも、毎年大きな流行になり、死者もけっして少なくありません。インフルエンザが直接の死亡原因となっている方もいます。インフルエンザをきっかけに持病が悪化して亡くなる方もいます。それらをあわせると、日本では毎年、数万人の方がインフルエンザに関係して死亡しています。

 強毒性ではなくても、やはり十分に警戒しておく必要はあります。

 ところで季節性インフルエンザの流行の仕方が変化してきているようです。これまでは冬の感染症だとされていました。しかし、例えば今年は春になり、5月になってまだ流行が続いていました。これは今までに経験したことがありませんでした。

 実は6月というのにまだ流行している地域があります。沖縄県です。ここでは過去数年間、夏場での流行が報告されています。もともと暑い地域ですので、インフルエンザが流行すること自体が、今までのイメージには合いません。そして、夏場になっても流行しているとは・・。

 実際に熱帯地方では一年中インフルエンザが流行しているとのこと。ウイルスの性質が、どうも違うようです。その“暑さ大好きインフルエンザ”が、日本にやってきているのかもしれません。

 もはやインフルエンザは冬だけではないとなると、対策もかえていかなくてはいけないでしょう。現在はワクチン接種を冬になる前(11月ころ)に行っていますが、これからは春先にももう一度行ったほうが良いことになります。そんな議論も、一部では出始めているようです。

 新型インフルエンザについても、もしかしたら秋をまたずに日本でも流行が始まるかも。そんな意味でも、パンデミック・インフルエンザに備える準備を確実に、そして強力に推し進めていく必要があります。

 ことさらに慌てることはない。怖がることもない。でも、侮ってはいけない、ということです。

投稿者 tsukada : 2009年06月13日 23:59