2009年06月27日
一番のクーリングは?
今日もものすごい暑さでしたね。日本の大部分で真夏日。一部には猛暑日になった地域もあったようです。くれぐれも熱中症など、事故にならないよう十分気をつけていて下さい。
今日もまた「冷えピタ」の話・・いや「冷却ジェルシート」についてです。
ある方から質問をいただきました。昔から氷嚢(ひょうのう)を使っているけれど、あれも効果はないのか、と。
冷却シートができたためなのか、最近は氷嚢は見かけなくなりましたね。一時期、アイスノン(これも商品名?)を冷蔵庫か冷凍庫にいれておき、それを氷嚢代わりに使っていましたが、このアイスノンも今は“絶滅商品”でしょうか。それくらい冷却ジェルが普及したということなのでしょうね。
私は子どもの頃、この氷嚢が嫌いでした。氷枕もそうです。具合の悪い子どもために母親が作ってくれたわけですから、嬉しいのですが、でもあまりしたくはありませんでした。中で氷がゴツゴツしているのがまずイヤでした。
それだけならまだガマンができたかもしれませんが、実は冷たさがイヤでした。まるで氷嚢や氷枕の存在そのものを否定するような話ですね。
体中の余分な熱が、あれだけの氷に吸収され、なくなっていくことを、幼いながら信じられなかったのかもしえませんね。今思えば、科学的な見方の片鱗があったのかも(^^;)
さらに皮膚表面を冷却しすぎると、その部分の血流が途絶えてきます。血液は動脈血の温度が高くて、末梢から戻ってくる静脈血は冷やされています。それによって体の中の余分な熱が逃げていくという原理になっています。
寒さが厳しすぎると凍傷になることがありますが、これは血液の流れを遮断することで、体内の熱が逃げていかないようにした結果です。凍傷も重度になると手足の先を切らなくてはいけなくなってしまうこともあります。
氷などで皮膚表面を過剰に冷やすと、人工的に凍傷と同じ現象をおこしていることになります。そこに血液が流れないわけですから、体温を下げる効果はないことになります。この原理は分かってもらえたでしょうか。
効果的な冷却をおこすためには、血流がきちんと保たれている必要があります。そして冷やされる血流量がたぷりと多い方がよいわけです。おでこを冷やすよりも、手足を広く露出するなどしてクーリングしたほうがずっと効果が高いことも、ご理解いただけたかと思います。
風邪などで発熱するとき、その最初は寒気(さむけ)がして、体を温めようとします。いったん熱が出切ると暑いと感じて、涼しくしようとします。衣服をゆるめ、手足を出し、冷たい物を飲みたくなります。このことが自然のクーリングですし、一番確実なクーリングになります。
人間が本来持っている感性を大切にすることって、大切です。変な知識がじゃましていることって、あるんですね。
投稿者 tsukada : 2009年06月27日 21:57