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2010年01月26日

0歳児への接種

 新型インフルエンザ予防接種については、国は優先対象者以外にも接種をしてかまわないという方針を出しました。それを受けて、各都道府県は地域の実情にそって、接種スケジュールの前倒しをしています。

 新潟県では20日より「65歳以上の高齢者」や、優先対象ではなかった「健康成人」に対しても接種を行えるようにしています。このことはすでにお伝えしているとおりです。

 これで「0歳児をのぞくすべての方」が接種できるとご案内していましたが、この点が実は間違いだったことに今日気付きました。厚労省の方針にそうと、0歳の赤ちゃんにも接種が可能になっていました。例外なく、すべての国民が対象です。

 今日、ネットで新聞社のニュースを見ているときでした。読売新聞のサイトに「新型ワクチン、0歳児にも」という記事を見つけ、ビックリしました。それも21日付けですから、先週の話です。うっかりしていて、この記事を見のがしていました。

 0歳児を優先対象にしていなかったのは、接種しても効果が弱いから。代わりに親御さんに接種を受けていただき、家族内で感染しないよう「間接的な予防」をすることになっていました。

 逆に、接種をしても副作用が起きやすいとか危険だということではありません。季節性インフルエンザワクチンは以前から0歳児にも行えるようになっています。(実際には、生まれたすぐの赤ちゃんにはやはり効果が弱いので、生後半年くらいから行っていることが多いですが)

 でも・・他の新聞社の記事にはなっていないようです。厚労省のHPにも、それらしい通知は載っていません。もしかして、ガセ? もし間違った情報なら、そのままHPに掲載しているのはよくないこと。新聞社に連絡して訂正してもらう必要があるかも。

 そんな思いで、県庁に電話してみました。担当者に質問をすると、返事は「その記事の通りです」とのこと。厚労省はこれまでの優先対象に限るという制限を外したわけだから、健康成人だけではなく、0歳児も含まれるという解釈です。

 あらためて厚労省のHPを見てみました。今回、新型インフルエンザ予防接種についての要綱などを改訂していますが、その中に「0歳児も対象とする」とは出てきません。でも、優先対象以外の接種も行うと書かれています。逆に、そこに「成人に限る」などと文言があるわけではありません。けっきょく解釈は「0歳児も対象」とするのが自然です。

 ただし・・この先が問題なのですが・・これまで効果が期待できないとされていた0歳児に、新しく効果が確かめられたということではありません。あくまでも「接種してもかまわない」ということです。積極的におすすめしているわけではありません。

 季節性インフルエンザ予防接種を同じように、生後半年以降、あるいは1歳のお誕生近くにあり、効果の点では不確かだということも承知していただいたうえで、それでもご希望されるようでしたら、受けていただく、ということになります。

 当院で発行している案内が不正確でしたので、この点を訂正し、再度作成しました。このHPのトップページからリンクしていますので、ご覧下さい。

 それにしても・・お役所仕事ですね。これまで制限していて、それを解除したという話をするだけで、誰に対して、どのように接種をするのか、お薦めするのか、逆にお薦めしないのか、そういった細かいところ、そして一番大切な説明を省略しています。勘違いするのは、ちゃんと通知を読まないからだとでもいいたげです。

 こんなお役所仕事を改革するのが、新しい政権の役割なのではないのかな。そんなことまで期待するのは無理なのかな。自分たちのカネについても、ちゃんと説明できない(しようとしない)のだから、当然なのかもしれません。残念なことです。

投稿者 tsukada : 2010年01月26日 22:55