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2010年02月09日

世界のトップ企業として

 新型プリウスなどがリコールされることになりました。ブレーキ制御の不具合で、一瞬ブレーキが効かなくなるというトラブルです。

 そのままブレーキを踏み続けていればブレーキは通常通り作動するとのことで、実際にブレーキがかからないという状況にはならないようです。

 だからといって当初の説明で「運転者の感覚の問題だ」「改修の必要はない」としていたのは、やはり問題だといわざるをえません。自動車の安全装置に対して、その程度の認識しか持っていないということを、世界にしめしてしまったともいえます。

 一瞬ブレーキが効かなくなるのは、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が作動した時のよう。これは雨や雪などですべりやすい路面でブレーキをかけたとき、タイヤがロックされてしまうことを防ぐ装置。雪国も自動車には必需品といってもいい安全装置です。

 ABSが働く環境というのは、まさにスリップしそう、あるいはスリップしている状況。ドライバーは悪路の中で緊張して運転をしているはず。ほんの一瞬でもブレーキが効かないと感じたとき、パニックをおこしてしまうかもしれません。

 そこまでいかなくても、安全に運転できるか不安に思うことでしょう。そんな情景が、私には簡単に思い浮かびます。

 自動車メーカーの人たち・・トップの人たちだけではありません。プロの整備士や技術者がたくさんいるはずです。あるいは、ほとんどの社員は運転でできるでしょう。そんな人たちが、ブレーキ・システムに対して鈍感でいることに、本当の問題があるのではないかと思ってしまいます。

 以前このブログで「慢心」という言葉を使いました。世界のトップ企業になったことで、どこかに「慢心」があったのではないか。そう思えます。

 対応が遅いというのもずいぶんと問題になっています。プログラムにトラブルの原因があることは、すでに分かっていたわけです。今年からはこっそり(?)新しいプログラムを使っているのですから。技術的には可能だったわけですから、改修をしない・・そもそも公表もしない、というのは、そうとう高度は「経営的判断」があったのだと思います。

 そしてその経営者のトップがマスコミを通じて顔をだしたのが5日。いろんなことを話しても、それが言い訳に聞こえてしまうのは、すでに後手に回っているからでしょう。

 さてこの問題。日本だけではなく、アメリカやヨーロッパでも大きな問題になっています。おきてしまったのはもう仕方のないこと。でもこれからの対応をきちんとしてほしい。

 トヨタは日本のトップ企業であるとともに、世界のトップ企業でもあります。そんなトヨタが、大企業らしく、きちんと解決することができれば、あらためて企業活動は確固たるものになるでしょう。

 期待をこめて見守っていきたいです。

投稿者 tsukada : 2010年02月09日 16:29