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2010年02月22日

ニュース番組

 本日の新潟放送(BSN)で、病児保育事業について特集がありました。当院も取材を受け、保育室の様子、利用者の声なども取り上げられていました。私(院長)のインタビューも少しでてきました。

 以前はニュースなどで病児保育がとりあげられるときには、この事業がなんであるか、といった「基礎」が主でした。今回はその先に話が進み、事業に対する公的な助成の在り方をテーマにしています。

 病児保育に対する一般の方の認知度が高くなってきた、ということもあるでしょう。取り上げる記者の方の理解も深まり、実はいろんな問題をもっているのだということに気づいてもらえたのかもしれません。

 この事業は厚労省の予算によって事業化されています。国、都道府県、市町村が1/3を出し合って、助成しています。この助成方法が今年度から変更され、これまでの「固定性」から「出来高制」に近い計算方法になりました。その結果、比較的小規模で利用数が少ないところは補助額が少なくなり、経営的に成り立たないという問題が生じてきた・・それが今回の取材意図のようです。

 当院のわたぼうし病児保育室は、この計算方法の変更は、実はあまり影響はしていないのです。なぜなら昨年度までは助成されることなく、自主運営を余儀なくされていたのですから。人件費だけで毎年1〜2千万円、2001年の開設以来、軽く1億円を超える累積赤字をもっています。

 赤字を誇らしくいうのもヘンですが、そんな中でも地域の子育て支援を一生懸命に行ってきた「勲章」だと思い、事業を投げ出さず、継続してきたことを「誇り」に思っています。(私の施設にはもう一つの「誇り」があります・・これまで一人も受け入れを断っていないことです)

 そんな事情なので、今年度から補助額の算定方法が変更されたことは大きなことではありません。補助されるに至ったということ自体が、大きな意義をもっています。行政も、関係団体も、やっとわたぼうし病児保育室の存在を認知し、その事業の公共性を認めていただいた・・そんなふうに考えています。

 今年度から補助をいただくことになり、保育士(現在常勤4名、パート4名)などの人件費の一部をカバーできるようになりました。それでも赤字(医院からも持ち出し)がなくなるわけではありません。人件費以外にも施設設備費、光熱費、消耗品費など、そうとうな経費がかかっています。

 でも、これまでより赤字幅が少なくなるのは事実。今後は余裕を持って、さらに多くの子どもたちに、より良い病児保育を提供できるようになるのではないか、と考えています。実際に市から事業委託を受けたということで、利用者はさらに多くなってきています。期待は今後もっと大きくなっていくことでしょう。それにきちんとこたえていくことが、私たちの責務だと思っています。

 番組の最後で、レポートされた記者の方がこんなふうにナレーションしていました・・「限りある財源ゆえ、ムダを省き、有効に使うことが行政側には求められています。しかしその一方で、営業努力で利用率があがる事業ではありません。効率化だけを求めて社会の緊急避難所を壊してしまうのでは元も子もありません。」

 本当にそう思います。当院では何とかやっていますが、経営者としてはとてもほかの小児科医院におすすめできるわけではありません。安定して経営できることも大切なこと。補助の在り方を見直すべきだという記者の考えに、思わずうなずいていました。
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投稿者 tsukada : 2010年02月22日 23:34