2010年06月15日
快挙
惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰ってきました。7年もの長いあいだ宇宙空間を旅しての帰還です。
太陽系の小惑星「イトカワ」を目ざして打ち上げられました。イトカワは地球の近くを動いている惑星の一つ。
イトカワの直径はわずか330メートルなのだそうです。そんな小さな、宇宙の中では「ゴミ」のような惑星にたどりつき、そしてまた戻ってくるなんて、ものすごい技術です。感動します。
近くまで寄って観測していますが、長細い形をしています。関係者の中では「ラッコ形」と呼ばれているのだそうです。私にはピーナッツ形に見えますが。
最大のミッションはイトカワの表面物質を持って帰ること。はやぶさからロボットを降下させ、サンプリングする計画でしたが、これは失敗。しかし、このときにもしかしたら舞い上がった砂状の粒子を回収用カプセルに閉じこめ、持ち帰ることができたのではないか、と期待されています。
はやぶさは地球に帰ってきましたが、途中では重大なトラブルに見舞われ、命からがら・・満身創痍だったようです。燃料系が故障し、太陽電池だけをかろうじて動かしていたのだとか。
イオンエンジンも4基全てが故障し、飛行が不可能になりましたが、ウルトラC球の裏技(?)で復活させることができました(プラスとマイナスのイオンを使って推進力にしますが、別々のエンジンの、それぞれ生きている部分を使って、その役割を果たしたのだそうです)。
NHKの番組で研究者の話していることが印象的でした。「予算が少なかったからできたこと」と。それぞれの研究者が全てのことを知りながら開発していたので、万一のことがあっても対処できたというのです。もし潤沢な予算があったら、専門の任された部分しか分からず、想定外のトラブルには対応出来なかったと。
もちろんこれは逆説的な言い方であり、宇宙開発の予算が少ないままでいいと言っているのではないので、これ以上仕分け対象にはしないで下さいね。
パワープレーはできないけれど、小技を使いながら粘り強く、チーム一丸となってやりとげ、最後はちゃんと結果を出す・・これが日本の技術であり、心意気なのかとも感じました。
これって先日のサッカー・ワールドカップで日本がカメルーンに勝った試合を思い起こします。日本も自信をもっていいんですよね。
ところでこの「はやぶさ」は、サンプルが入っているはずのカプセルを安全に地球上に投下したあと、大気圏突入によって自分は燃え尽きてしまいました。最後の最後まで、与えられた使命を全うするその姿勢にも教えられるものがあるようにも感じました・・相手は機械ではありますが。
投稿者 tsukada : 2010年06月15日 23:59