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2010年07月31日
今週の感染症情報
○手足口病
○ヘルパンギーナ
○マイコプラズマ
△胃腸炎
△おたふく
△水ぼうそう
△りんご病
△溶連菌感染症
×プール熱(咽頭結膜熱)
×麻疹
×風疹
--------------
いわゆる「夏かぜ」が流行中。とくに手足口病が最も多く発生。手足や口にぶつぶつができますが、熱はなく、軽い感染症です。
続いてヘルパンギーナ・・熱を喉のしみるような痛みがあります。2、3日で自然に治っていきます。
もう一つのプール熱(咽頭結膜熱)は、当院では見かけませんでした。これはとても重症感の強い感染症です。
その他では目立った感染症の流行はおきていません。
明日から8月。まだまだ暑い日々が続きます。体調に気をつけてお過ごし下さい。
投稿者 tsukada : 17:41
2010年07月29日
死刑執行
先日、2名の死刑が執行されましたが、さっそく議論を呼んでいます。
さきの参議院選挙で落選し法務大臣が、議員資格のなくなる前日に行ったということも、「不透明さ」を演出。またこの法務大臣が「死刑廃止」を主張していて、大臣になって1年間は死刑を行っていなかったということも、「きな臭さ」を感じます。
すでに死刑という罪が確定しているわけですので、それを実行すること自体は行政としてはある意味では当然。死刑の是非をめぐる議論は、国会できちんとすべきです。それをせずして、行政の長としての大臣を批判するのはどうなのかな、とも思います。
議会で法律を作り(刑法の中に死刑を認めている)、裁判所が個々の犯罪者の処罰を決め(量刑として死刑を選択)、行政がその判断に従って行動する(死刑の執行)・・これは日本の憲法が定める「三権分立」の姿です。
死刑制度については、世界の中で廃止している国の方が多くなってきたようです。犯罪者の人権保護の観点からも、死刑はなくすべきだとい主張が広く認められるようになってきています。
しかしその議論をし、死刑制度の廃止に向けて動き出すべきは国会です。議員がなすべき仕事をせずに、ただ声高に叫んでいるだけでは、その責務を果たしているとはいえないと思います。
また死刑の執行を行わせないということであれば、きちんとした法律を作って、暫定的にせよ、その執行を猶予することを合法化すべきです。法律を作ることが議会の仕事であり、それをせずに行政に「圧力」をかけるのは、自らが作った法律を無視してもいいということにならないか。違法行為を立法者が行わせている、というのは、やはりおかしな話です。
私自身は死刑制度に疑問をもっています。それは死刑が最高の刑罰とはいえないのではないか、と思うからです。そのことは次の「院長ブログ」でにお話ししようと思います。
投稿者 tsukada : 23:59
続・熱中症予防のために
熱中症で亡くなる方がずいぶんといるのだという報道はショッキングでした。とくにお年寄りに多く、大半は室内で発生しているとのことです。
熱中症の発生は予期できます。普通の生活をしている人にとっては、猛暑の日にしか起きないからです。
お年寄りのいる家に声をかけ、個別に健康状態の聞き取りをしたり、エアコンの設置状況などをみたり、水分のとり方など具体的な注意を促したりすることで、熱中症の発生を防ぐことができるのではないでしょうか。
もしエアコンが設置していないなど、室内環境に問題があれば、公民館など公共の施設にお連れしてはどうでしょう。涼しいところで、一日過ごしてもらう。そんなふうにすれば、確実にお年寄りを熱中症から守れると思います。
「避難所」では昼食やおやつなども用意し、リラックスできるようにする。何か楽しいものをお見せしてあげるのもいいでしょう。スタッフがお話し相手になったり、リクリエーションをしてもいいかも。
自治体の職員が仕事として行うだけではなく、民間のボランティアを募れば参加してくれる人たちも少なくないでしょう。こういった活動を行うNPO法人があるかも。
いずれにせよ、この猛暑は緊急事態です。何か有効な対策を打たない限り、熱中症の犠牲者はさらに増えてしまうことでしょう。そんな不幸を避けるために、知恵とお金を出し合うときです。
投稿者 tsukada : 18:58
2010年07月28日
熱中症予防のために
今年の夏は北半球でめちゃくちゃな猛暑になっているようです。日本もそう。いったい地球はどうしちゃったの?
熱中症によると思われる死亡が数多く発生しているようです。新聞報道では、東京23区内で梅雨明けした先月17日以降、熱中症が原因とみられる死亡者が少なくとも75人。例年より多く、大半は一人暮らしの高齢者の「孤独死」。救急搬送された方は都内で1,000名を超えているそうです。
全国の統計は見あたりませんが、少なくとも数千名が熱中症にかかり、100名以上、もしかしたら数百人が死亡していると予想されます。この数は尋常ではありません。
熱中症は文字通り「熱」が体内にこもることでおきるもの。予防のためにはクーラーを使って室温を下げたり、十分な水分をとるなどが必要です。そして、そういった対策をとれば、熱中症で亡くなるなどという不幸な事例はなくすことができるはず。何とかならないものでしょうか。
投稿者 tsukada : 23:59
2010年07月27日
祝・直江津祇園祭
当地の夏祭り(上越まつり)は“2部構成”。高田地区から始まり、後半は直江津地区に移ります。2つの市が合併したときに、2つの祭りを統合せず(できず?)、そのまま続けることになりました。
今は直江津祇園祭の真っ最中。町内ごとにお神輿(みこし)を持っていて、旧市内を3日間にわたって引き回します。医院の近くを、何台ものお神輿が通っていきました。
わたぼうし病児保育室でお預かりしている子どもたちにも大人気。室内からお神輿を興味津々というようすで見ていました。
猛暑の中で繰り広げられているお祭りです。熱中症には十分に気をつけていて下さいね。
投稿者 tsukada : 23:59
2010年07月26日
花火嫌い
どうも花火が苦手です。遠くから響いてくるドンという音を聞くと、震えが止まらなくなってきます・・
これは我が家の愛犬の話。近くの港で花火大会がありましたが、花火の音がし出したら落ち着かなくなり、私の膝の上に飛び乗ってきました。
いつもの元気はどこへやら。小刻みに震えています。よっぽど怖いのでしょうね。早々に仕事を切り上げて、帰宅することにしました。
確かに花火の音は、自然にはありませんね。爆薬が爆発する音ですから、ある意味で暴力的です。それも聞き慣れていないのですから、何事が起きたのか分からず、怖がるのは当たり前かも。
けっこう勇敢なところもあるコーギー犬ですが、そんな一面を見て、ますます可愛くなりましたよ。
投稿者 tsukada : 23:59
2010年07月25日
蓮(はす)祭り
高田公園の名物・・春は「日本最大夜桜」とも言われているソメイヨシノですが、この夏はお堀一面に蓮が花を咲かせます。その様子は「東洋一」と形容されていたことがあるそうです。
蓮を見ながらお散歩です。わざわざ遠くに出かけなくても、素晴らしい景色を見ることができます。けっこう贅沢な暮らしかな?
愛犬(名前を「クッキー」といいます)も満足そうでしょ。・・それは蓮の花ではなく、散歩そのもので喜んでいるんだよ、と突っ込まれそうですが。
それにしても暑い。日中は強い日差しで路面が熱くなります。熱中症も心配だけど、ワンコの足が熱傷にならないかも心配。足早に帰ってきました。
PS 先日、足の裏をやけどした幼児を診療しました。公園で遊んでいたとき、マンホールのフタの上に立ったとき、大泣きをしたのだそうです。
夏の日差しに照らされると、普通だったら問題のないところで思いがけないやけどを負うこともあるんですね。自動車のダッシュボードなど、けっこう危険なところも多いです。どうぞお気を付け下さい。
投稿者 tsukada : 20:25
2010年07月24日
夏祭り
昨日から当地の夏祭りが始まっています。といっても個人的にはお祭り気分はありません。普通に仕事をしているだけ。きっと、つまんない生き方をしていると思われることでしょうね。
以前は夏祭りを実感していました。初日の夜に花火大会があり、楽しみにしていたものです。
数年前、資金難という理由で花火大会が中止。それ以来、いつどこでどんなお祭りをしているのか、見聞きすることもなくなりました。
でも今日はちょっとだけ、お祭りに触れてきました。たまたま通った街角でお神輿を見かけたのです。
私にとってほんの数分の出来事でしたが、お祭りの熱気を感じることができました。やっぱり夏なんですね。
投稿者 tsukada : 23:59
今週の感染症情報
○手足口病
○ヘルパンギーナ↑
○マイコプラズマ
△胃腸炎
△おたふく
△水ぼうそう↓
△りんご病
△溶連菌感染症
×プール熱(咽頭結膜熱)
×麻疹
×風疹
--------------
夏かぜのなかで手足口病が最多。次にヘルパンギーナも増加しました。熱と喉のしみるような痛みが特徴ですが、3日ほどで自然治癒するウイルス性の感染症です。当院ではプール熱(咽頭結膜熱)は見かけていません。
名前のつかない「夏かぜ」が多いです。熱は高くでるものの、咳や鼻水はなく、寒気やだるさもありません。2日ほどで治っているようです。
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)、水ぼうそう(水痘)はまだ少しずつ発生。本来は夏にはあまり流行しない感染症。いずれもワクチン接種で予防できます(任意接種)。
猛暑がつづき、熱中症や水の事故が多発しています。十分な注意をお願いします。
投稿者 tsukada : 12:53
2010年07月23日
いよいよ夏休み
当地では今日、多くの学校で1学期の終業式が行われました。明日からはいよいよ夏休み。いろんなことを計画されていることでしょう。
先日、近くの海岸で中学生が溺れ、助けられましたが、意識不明に陥っていました。その後残念ながら亡くなったそうです。
悲しい夏休みのスタートになってしまいました。ご家族、お友達、学校関係者など、心よりお悔やみ申し上げます。
猛暑がつづくために熱中症もそうとう発生しているようです。ニュースではすでに数十人が亡くなったとか。
楽しいはずの夏休み・・事故などで暗転してしまうことのないよう、十分に注意をしていて下さい。
投稿者 tsukada : 23:59
NHK
NHKのローカルニュースで、当院のわたぼうし病児保育室のことが紹介されました(4月16日)。その時の様子がHPにアップされています。ご興味のある方はご覧になって下さい。
「NHK新潟」で検索し、「新潟ニュース610」→「特設コーナー:支えたい」へ進んで下さい。
次のアドレスです。(リンクしてありませんので、コピペして下さい)
http://www.nhk.or.jp/niigata/program/sasae/0416.html
投稿者 tsukada : 15:29
2010年07月22日
酷暑
39.4度・・まるでインフルエンザにかかった時のような体温のようですが、これは今日の最高気温。岐阜県多治見市で記録しました。
信じられないような数字。日本全国での史上最高気温なのかもと思ったら、同じ多治見市で3年前に40.9度になったことがあるのだそうです。上には上があるものです・・。
各地で熱中症の事故がおきています。屋外で活動している人たちだけではなく、家の中にいる方にも発生。本当に十分に注意をしていて下さい。
35度以上が「猛暑日」。新しくできた言葉ですが、もうすっかり定着してしまいました。さらに、猛暑と言われても、慣れてしまってことの深刻さが伝わらなくなっているようです。
ニュースでは「酷暑」という言葉を見かけました。猛暑を上回る、命の危険も生じるような過酷な暑さ・・そんな意味合いでしょう。
そのうち「酷暑日」という言葉ができてしまったりして・・。北半球の暑さはさらに続くようです。いつになれば過ごしやすくなるのかな。
投稿者 tsukada : 23:59
2010年07月21日
猛暑日
今日も日本中は猛暑に襲われました。各地で最高気温が35度以上の「猛暑日」になり、ところによっては38度をこえたそうです。
ほとんど発熱状態にある日本列島。心配していた熱中症で亡くなる方も出ておられるようです。十分にご注意下さい。
先月、当地で発生した小学生のプールでの溺水事故・・その後の治療により完全に治癒し、再び登校できるようになったそうです。低体温療法という特殊な治療を受けたとのことで予後を心配していましたが、本当に良かったです。
しかしこの連休中には海での事故が起きてしまいました。高校生数人が溺れて、その中の一人が海中から助け出されたものの、意識不明になっているということです。
事故のあった海岸は当院から数分の場所。海水浴場ではありませんが、海浜公園として整備され、実際には泳ぐ人が少なくありません。しかし監視員はおらず、これまでにも事故で亡くなる方がいたのだそうです。
何が原因で、今後どうすればいいか・・単純には結論づけることはできないでしょうが、でも基本的に海での遊泳は危険が伴うこと。泳ぐ人も十分自覚し、地域や自治体もそれなりの体制を作る必要があります。
これ以上、子どもたちが水の事故にあわないよう願っています。
投稿者 tsukada : 23:59
2010年07月20日
夏風邪
連休があけ、小児科外来は予想通りの忙しさでした。そしてこの暑さ・・初老の域に入った(?)小児科医としては、きつい一日でした。
いわゆる「夏風邪」が多くなっています。手足口病やヘルパンギーナがその代表ですが、いずれも数日で治る軽い感染症といっていいでしょう。プール熱(咽頭結膜熱)はそうとう症状が重く、流行するといやだなと思っていますが、こちらはさほどではないようです。
名前のつかない夏風邪もあります。ほとんどはただ熱がでるだけ。冬場の風邪は熱がでる前から咳や鼻水があり、寒気やだるさを伴います。喉の痛みも強く、一見してつらそう。
夏風邪となると、2日ほどゆっくり休んでいるだけですんでいます。もちろん扁桃炎、気管支炎などちゃんとした(?)感染症も少なくないので、熱の出ている子どもたちの全部を夏風邪だ、などと単純に言ってしまってはいけないわけですが。
熱中症も心配しています。全国の各地ですでに死亡例もでているとのこと。屋外だけではなく、締め切った室内でも発生しています。十分に気をつけていて下さい。
この猛烈な暑さはいつまで続くでしょうか。今年の夏は過ごしにくいようです。夏になったばかりというのに、早く秋にならないものかと願っている私です・・
投稿者 tsukada : 23:59
2010年07月19日
すでに猛暑に
梅雨が明けたと同時に夏本番。いきなり猛烈な暑さになりました。
この連休の全般は東京にいましたが、アスファルトやコンクリートで固められた街の暑さは強烈。日中に外出するときには日陰伝いに歩いていました。
各地で水の事故が多発しています。つい数日前には梅雨の大雨での災害もありましたが、今度は水遊びや水泳中などの事故。個人の責任が大きいですし、予防もできそうです。十分に注意をしていて下さい。
さらに熱中症も発生しているようです。外にでるのは炎天下をさけ、日陰や木陰ですごすこと。水分をこまめにとること。休養も十分にとり、疲れすぎないこと・・そういったことを守って下さい。
投稿者 tsukada : 23:59
2010年07月18日
30年ぶりの再会
拝啓 山本先輩
いや、山本教授とおよびしないといけませんね。このたびは遠く北海道から新潟の片田舎まで、わざわざご講演にお越しいただき、ありがとうございました。
患者さんの診療を、現代医学では専門分野に分かれて行いがちですが、それだけでは本当の医療にはならない。患者さんの全体を総合的にみていく必要がある。さらに生い立ち、置かれている環境などの要素も大切・・
そんなふうに力説される先生の姿は、30年前と全然変わらず、とても懐かしかったです。いや、それ以上に嬉しく感じました。
山本先輩は私の3学年先輩。自治医大の第一期生にあたります。私が入学した当時はまだ創成期の医学部・・医療のあり方などをめぐって熱い議論を戦わせていました。
自主サークルや学生自治会活動など、いろんな場面で山本先輩と一緒にいさせてもらい、多くのことを学ぶことができました。
私も卒業し、医師として地域の医療を担っているつもりですが、日々の診療をするのが精いっぱい。いつしか医学や医療のあるべき姿、あるいは理想などを思い描かずにいるようになっていました。
今の医学部は、専門医とよばれる医者が、患者さんを細分化して診療するのが普通。そんな中で「総合診療科」を立ち上げ、その重要さを説いている山本先輩の姿を、とても誇らしく思います。
と同時に、日常診療の中でちゃんとしたことができているのか、自らを省みる良い機会になりました。
それにしても・・柔道着やジャージが普段着だった先輩の姿と、スーツを着て、医者向けの講演をされている教授としての姿が、どうしてもミスマッチです。先輩にはお酒を飲みながら、口角泡しながら熱く語る姿が似合ってますよ。
投稿者 tsukada : 18:03
2010年07月17日
今週の感染症情報
○手足口病↑
○マイコプラズマ
○ヘルパンギーナ↑
△胃腸炎
△りんご病
△おたふく
△水ぼうそう
×溶連菌感染症
×麻疹
×風疹
--------------
今週もさらに「夏かぜ」が増加。
とくに手足口病の流行が拡大しています。
熱もなく軽い感染症ですが、ときに髄膜炎を合併します。
ヘルパンギーナも目立っています。
熱と、しみるような喉の痛みが特徴ですが、数日で自然治癒します。
りんご病(伝染性紅斑)は頬と手足に発疹ができる感染症で、子どもは軽い症状。
大人がかかると熱や関節痛が強くなります。
さらに妊娠初期の妊婦がかかると、胎児の具合が悪くなることがあり、注意が必要です。
この連休は気温の高い日が続くようです。
熱中症、水の事故などにも気をつけてお過ごし下さい。
投稿者 tsukada : 15:02
2010年07月15日
民主党の大敗
先日の参議院議員選挙では政権党である民主党が敗北し、昨年の衆議院議員選挙で政権の座を追われた自民党が勝利しました。わずか1年で国民の「民意」は180度ひっくりかえった、ということなのでしょうか。
今回の結果については民主党のオウンゴールだとも言われています。直前に総理大臣になった菅直人氏が就任早々に「消費税増税」が国民に受け入れらなかったというのが直接のきっかけでしょう。「議論しましょう」という提案ではありましたが、同時に「自民党の10%は一つの案」と言ってしまったから収拾が付かない状態になりました。
一度具体的な数字を総理大臣が言えば、それが一人歩きしていくことは目に見えています。民主党内で議論し決めたことではないことも国民には分かっています。それ以上に、しまった!とばかりに低所得者に対しては税の還付をするから、などとあとで言いだし、その内容も日々違ったものに。
首相が自分の言い出したことにあわてて、右往左往している様子は、民主党に対する忌避感を容易に作り出しました。1年前には絶大な期待感が寄せられていたのに。
そもそも民主党が行った1年弱の政権運営に対して国民が不安に思っていることを感じ取っていなかったのだろうな、とも思います。沖縄の米軍基地移転問題をめぐっては、自民党ができなかったこと(県外移転、あるいは国外移転)をやろうとして、自民党が先延ばししてきたこと(名護市辺野古沿岸への移転)が決まってしました(工法も、当時の鳩山首相がいやがっていた埋め立て方式になるのだそうです)。ある意味で自民党以下の政策をしてしまいました。
財政のムダを徹底的に洗い出し、それによって数兆円の予算を作り出すという公約はどうしたのでしょう。見直しを進めているのは確かですが、目標額には遠く及ばないことが分かってきました。どうも民主党には「虚言癖」があるのではないか、そんな感想をもった国民も少なくないでしょう。
子ども手当の創設についてもいろんな意見があります。巨額の予算を使うわけですが、ただお金を直接渡すだけではなく(それが大切だということも分かりますが)、保育園を作る、学校を充実させる、子どもの医療や福祉を整備するなど、具体的な行政サービスを充実させることもちゃんとやってほしい。「現物支給」こそ、政治や行政にしかできないこと。それなくして、ただ「現金支給」という安易な方法だけで少子化対策、あるいは子育て支援をしている・・そんなふうにも見えています。
そもそも自民党が行った現金支給(定額給付)を「金のバラマキだ」と批判していたのは誰だったのか。対象者が子どもをもつ家庭だからバラマキではない、というは論理的だとはいえません。
高速道路無料化の政策についても、その趣旨が良く分かりません。税収が少なく、苦労している今、国民の全てが利用しているわけではない高速道路料金だけをタダにすることにどれくらい意味があるのか。そのためにまた大量の税金が投入されることに不安を覚えています。
高速道路を格安で、あるいは無料で利用できるとなれば、移動手段を自家用車にする人たちが増えます。しかし、環境への悪影響(言うまでもなくCO2排出は大幅に増加)、ガソリン消費の増大(エコに逆行)、鉄道や船などの公共交通の利用減など、さまざまな問題が新たに生じてきます。それらを多面的に考え、日本の政策はこうするんだという議論はなされていません。
大所高所にたった政策立案をするのが、本来の「政治指導」でしょう。でも実際にやっていることは、省庁に入り込んで、役人の仕事にちょっかいを出しているだけ?
そんな民主党に、政権発足からわずか1年足らずで国民から愛想をつかされた格好になりました。当面はまだ民主党が政権を担っていきますが、よっぽどちゃんとしたことをしないと、次の衆議院選挙は厳しいですよ。
今回自民党が勝利したわけですが、それは民主党に対するマイナス評価が影響したから。敵失による「棚ぼた」効果によるのですから、喜んでばかりはいられないでしょう。野党として民主党を批判するのは当然ですが、それだけ言うのなら長期に政権をもっている間に、どうして自分でやらなかったの?って思う発言がたくさんありました。
さてさて、これからの日本はどうなるのか心配になってきました。確かなことは、政治家を簡単に信用してはいけない、ってことかな。言っているその内容をちゃんと聞き分けなくてはいけないでしょうし、やっている内容をよく見ていかなくっちゃ。聞こえのよいことを言っているだけの政治家って、多いですね。
それにしても・・国民に人気のあった(←すでに過去形)菅直人氏が、実は政治オンチなんだと分かってしまいました。ちゃんと信頼を寄せられる政治家はいないのでしょうか。
投稿者 tsukada : 23:59
2010年07月14日
大役終了
このところの「院長ブログ」でご紹介してきましたが、本日ある県立高校での講演会がありました。「人の性と生」と題して、約1時間。
内容はまた後日お話したいと思いますが、とりあえず無事終了したことをお伝えします。
梅雨空の蒸し暑い中、全校生徒さんたちと教職員の方々に体育館にお集まりいただきました。プロジェクターを使う関係で、窓には暗幕をしましたので、暑さが倍増。もちろんエアコンはありません。
そんな過酷(?)な中、私の話に長い時間、耳を傾けてもらいました。小児科医の講演中に熱中症などで体調を悪くする人がでたらシャレになりません。心配していましたが、大きなトラブルはおきませんでした。
講演内容についてはどれくらいご理解いただけたかは分かりませんが、それなりの手応えもあったように今は思っています。これからの人生に多少なりともお役にたてることができれば、講演した甲斐があったというものです。
まずは無事大役をすませたというご報告まで。
投稿者 tsukada : 23:59
2010年07月13日
明日は決勝戦?
明日14日は、私にとって一大事。ある県立高校での講演会があるからです。「人の性と生」と題した講演を、全学年の生徒さんたちにするなんて、一介の小児科医には荷が重いです。
しかしいったん引き受けた仕事。やめるわけにはいきません。大役をはなしてこようと思っています。
講演の要旨はだいたいできました。会場で投影するプロジェクター用の資料もほぼできました。あとは肉付けをもう少しすれば完成・・。
そう思って見直していると、しだいに言葉数が増え、何枚かのスライドが加わりました。あれもしゃべりたい、これにも触れたい、などと思うので、どうしても「足し算」になってしまいます。
でも与えられた時間は60分(きっと校長先生のお話などで正味時間はもっと短くなるでしょう)。今のところスライドの枚数が60枚。きっと不消化になってしまうでしょうね。
この「1枚1分」のペースというのは、看護大学での講義と同じです。スライドを見せながら、小児科学の知識をお伝えするということでは、いつもの私のスタイルといえるでしょう。
今回はとても大勢の方を相手にします。それに知識というより、生きるということの意味など、考え方を理解してもらうのが主眼。スライドの枚数が多いと、その説明で終わってしまって、何を伝えたいのか分からない・・なんてことにもなりかねません。
きっと最後は「引き算」が必要なのでしょう。でも、できれば生徒さんたちのハートに届くようなミラクルはないかな。何かと何かを組み合わせて「かけ算」になるといいな(間違ってもゼロをかけないように)。
さて講演会まで15時間ほど。どんなできになりますやら。
投稿者 tsukada : 23:59
2010年07月12日
スペイン優勝
サッカー・ワールドカップがスペインの初優勝という結果で幕を閉じました。日本が敗退したあとは試合をテレビ観戦することは少なくなっていましたが、やはり決勝戦は気になっていました。
しかし翌日(とうよりその日)は小児科医にとって忙しい月曜なので、あきらめてそのまま休んでいたのですが・・朝方ふと目が覚め、試合のことが気になってテレビのスイッチを入れてしまいました。後半の途中でした。
スペイン、オランダとも得点はなかったのですが、試合そのものはものすごい迫力。そのまま延長戦まで全部を見てしまいました。
サッカーをそれほど好きなわけでもない私が魅せられるのですから、4年に1度のワールドカップというのはすごいイベントなのですね。世界中でサポーターが狂喜乱舞するのも納得です。
でも正直に言うと、やっと終わってくれたというのも率直な感想です。実況中継のほとんどが真夜中。睡眠時間が短くなり、生活リズムも崩れてきます。それなりの歳になった私には、ちょっときつかったです。
投稿者 tsukada : 23:59
2010年07月10日
今週の感染症情報
○手足口病↑
○マイコプラズマ
△胃腸炎
△ヘルパンギーナ↑
△りんご病↑
△おたふく↓
△水ぼうそう↓
△RSウイルス感染症
×溶連菌感染症
×麻疹
×風疹
--------------
夏かぜがめだった1週間でした。とくに手足口病が著明に増加。ヘルパンギーナも増えてきました。プール熱は当院では見かけませんでした。このほか、熱だけがでる軽い風邪も多かったです。
胃腸炎は少なめ。先週まで多かった水痘やおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は減少。いずれも夏場には少なくなる感染症です。
蒸し暑い気候が続きます。体調の管理にご注意下さい。
投稿者 tsukada : 13:22
2010年07月09日
講演会準備中
以前、講義や講演会で使ったスライドを見直していますが、これがけっこう役に立っています。あわよくば、労せずにそのまま使えればラッキーだ、などという下心もありますが、それ以上に「自分を確認」することができています。
行った場所も様々であれば、対象者も様々。小学生がいれば看護大学生もいます。親御さんに話をしたこともありますし、大学の講堂で教授やスタッフを前にして講義をしたこともあります。
テーマもいろいろ。その時々で、求められることに全力投球で打ち込んだ成果が、スライドとなって残っていました。
そのまま使えるものは少ないようですが、でも何をどのように話をしてきたかを再確認しています。そんな中で、自分なりに頑張ってきたものだと、自分を評価できるようになってきました。
今「自尊心」について詳しく書かれた本を読んでいます。その中で、自分を very good(とてもよい)と見るか、good enough(これでよい)と見るかは違うのだとあります。
前者は他人と自分との違いを見る中で自分の優位性を確かめることによっておきる自尊心。後者は、自分の中に作られている基準にてらして自分を受け入れるという自尊心。
この本では、日本の子どもたちに自尊感情(自信)が、他の国々の人たちと比べてとても低いけれど、なぜそうなっているのか、どうすればいいのか、といったことが書かれています。なるほどと納得しながら読み進めています(眠気が先になって、なかなか進まないのだけれど)。
私がこれまで行ってきた講義などは、どう考えてもvery good ではありません。もっと専門の先生が詳しく、きちんと話をした方が、いい内容になるでしょう。
でも good enough としてもいいかな。甘いかもしれないけれど、話をするのが専門ではない小児科医が、それなりに分かりやすく、いろんな話を伝えることができた・・そんなふうに思えてきました。
来週の講演・・もちろん最高の出来を目標にはしていますが、私の能力にも限りがあります。とりあえず、自分の中にある目標を達成できるように努力をしていきましょう。終わったあとに振り返って good enough だと思えるように・・
投稿者 tsukada : 23:59
2010年07月08日
真夏の悪夢?
先日の「院長ブログ」でもお話ししましたが、高校生対象の講演会まで1週間を切っているのに、その内容がなかなか煮詰まりません。いや、形もまたよく見えてきていません。
全学年合同・・おそらく体育館で行うのでしょう。梅雨の真っ只中。きっと蒸し暑いですね。1時間も生徒さんたちが我慢して聞いてくれるかな。もし大雨になっていたら、きっと雨が屋根をたたく音がうるさくて集中してくれないかも。
プロジェクターを使うことになっているのだけれど、広い会場でみんなに見えるようにするには文字の大きさをどれくらいにすればいいだろう。細かい文字やグラフなどは見えないだろうから、思い切って内容を精選する必要がありそう。
そんな、いわば形式的なところが決まらず、入り口で右往左往している状態。その上に、中身もまだ固まっていません。
あれもこれもと、話したい事柄はあります。でも1時間という講演の時間が、長いといえば長いのですが、短いといえばけっこう短いもの。とくに知識を伝えようとすると、全然足りなくなってしまいます。
夏場の暑い中、それも午後の一番過ごしにくい時間、大勢の生徒たちが一同に集まって聴いてもらう講演・・内容を盛りだくさんにしてしまうと、お互いが消化不良をおこしてしまうことでしょう。
今私の頭の中にあるものをそぎ落とす作業が必要のようです。もっと時間がほしい・・
投稿者 tsukada : 23:59
2010年07月07日
七夕(たなばた)
今日は7月7日、七夕です。彦星と織姫が出会える日。嬉しいような、ちょっと悲しいような日ですね。
短冊に願い事を書き、笹飾りにさげる・・これは日本の伝統的な行事でしょうか。医院でも笹飾りをつくっておきました。
患者さん用の玄関に大きなものを一つ。わたぼうし病児保育室の中に小さなものをもう一つ。子どもたちがいろんな願いを短冊にこめているようです。
さて、誰が叶えてあげるのかな? クリスマスならサンタクロース。誕生日なら親御さん。では七夕は? 責任者不在ということかな。
投稿者 tsukada : 20:08
2010年07月06日
大雨に警戒を
先日から九州などで大雨による大きな被害がでています。東京などではゲリラ豪雨に襲われたとか。
梅雨の終わり頃は大災害がおきることが多いようです。どうか十分にご注意下さい。
私事ですが、来週、大きな講演を頼まれています。ある県立高校で、全学年の生徒と教職員の方々を対象に行います。いただいた演題は「人の生と性」。
具体的には何を話してもかまわないと言われていますが、実はこれが問題。テーマが漠然としていると、何を題材にし、どんなことをお話しすればいいか、なかなか決まりません。
毎年看護大学で講義を受け持っていますが、こちらの方は小児科学の中のどの分野を担当するか決まっています。相手は看護学生さんですし、講義の守備範囲もはっきりしています。医学知識をお伝えするのが主な仕事なので、比較的やりやすいです。
しかし、来週の高校での講演は、まず対象が広いですね。数か月前は中学生だった1年生から、来年には社会人や大学生になっていく3年生までいます。それも男女いっしょ・・。性感染症や避妊のことなど、どれくらい突っ込んだ話をしていいものやら・・。
内容も、知識を伝えるような「講義」ではないようです。「生」や「性」がテーマですが、人としての生き方そのものがテーマ。突き詰めると、人生の在り方、社会の在り方などの根源的な問題をとりあげることになるのでしょう。そんな大それたことが私にできるのかと心配です。
資料を集めたり、関係する本を読んだりしながら、少しずつ煮詰めるようにしているのですが、空回り気味。あと1週間ほど・・けっこうつらい作業かもしれません。
一つだけ決まっていることがあります。当院のテーマソング「またあした元気になれるから」を歌うこと・・そんなリクエストをいただいています。
私が作詞したこの歌は、実は子どもたちの自殺をテーマにしたもの。といっても、自殺そのものを歌にすることができなかったので、もっと一般的な内容にし、年齢も幼児くらいをイメージして作ってみました。
そんなことを題材にしながら、自殺についても取り上げてみようと思っています。
実は講演の内容だけではなく、ギターと歌を練習しておかなくてはいけないというプレッシャーもあるのです。さてどうなるやら。
投稿者 tsukada : 23:59
2010年07月03日
今週の感染症情報
○水ぼうそう↑
○マイコプラズマ
△おたふく↑
△胃腸炎↓
△りんご病
△溶連菌感染症
△ヘルパンギーナ
×手足口病
×麻疹
×風疹
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7月に入り、蒸し暑い日が続いています。体調に気をつけてお過ごし下さい。
冬場の感染症である胃腸炎が、なぜか今年は春から大きな流行になっていましたが、ようやく下火です。
水ぼうそう(水痘)が増加傾向で、きょうだいの感染が目立ちました。おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はやや増加。いずれもワクチン接種で予防可能です(任意接種)
夏かぜウイルスの中ではヘルパンギーナがやや目立つ程度。全国的に大流行になると予想されている手足口病は、当地では今週はほとんど発生していません。
これからの夏は日射病や水の事故が気がち。十分にご注意下さい。
投稿者 tsukada : 18:04
2010年07月02日
仕事人間
慌ただしい1週間でした。もともと月末・月初はいろんな仕事が集中します。当院が発行している各種「通信」の作成もその一つ。
個人的なことですが、ある出版社から依頼された原稿の締め切りが今日でした。今回も「直前対応」。昨日の夜、一挙に仕上げ、今日、電子メールで送稿しました。
でも何と言ってもサッカー・ワールドカップで日本戦があったことが、一番でしょうね。結果は惜敗でしたが、こんなに沸かせてくれた試合も珍しいです。そもそも、私がスポーツの試合を観戦すること自体が、とても珍しいこと。
日中は普通に外来診療をしながら、夜はそんな「仕事」をしていました。睡眠時間も短めでしたので、ちょっと疲れがたまってきたような気もします。週末はゆっくり休むことにしたいと思います。(といいながら、きっと何か「仕事」をしているでしょうが)
今週の仕事の成果である「こども通信」「わたぼうし通信」をHP内にアップしてあります。どうぞご覧いただければ幸いです。
投稿者 tsukada : 23:59
2010年07月01日
ハーフタイム待望論
今日から7月。2010年の後半が始まりました。といっても、日付の上での話であり、今年の半分が終わったという実感も、これからの残りを頑張ろうなどいう気持ちもあんまりありませんが。
サッカーであれば前半戦が終わったあとにハーフタームがあります。45分間走り続けた選手たちが休息をとる時間です。水分などを補給し、消耗した体力を多少は回復させることができるでしょう。
監督と選手、あるいは選手同士が直接話をし、意思疎通を図ります。相手の弱点を指摘し、自分たちの問題点を把握することもできるでしょう。ときには後半戦の戦術をがらりと変更するための重要なミーティングになるかもしれません。
そんなハーフタイムが・・一年の移り変わりの中にあってもいいのかもしれません。残念ながら全く祝日のない6月にはそんな余裕がありませんでしたが、7月は海の日があり、学校などは夏休みに入っていきます。
来月には「国民的一大行事」であるお盆休みもあります。そんな休日もつかって、少し立ち止まることも必要なことかもしれません。
もっとも、いつも同じところに立ちつくしていることも多いので、一歩を前に進めることこそ必要なのかもしれませんが。
暑い季節が続きます。体調に気をつけながら、一年の後半もお過ごし下さい。
投稿者 tsukada : 23:59