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2010年08月19日
佐渡へようこそ
今日は甲子園で新潟県代表の明訓高校が頑張っていました。3回戦になるこの試合・・結果は1対2の僅差で敗北。勝てばベスト4だったので、惜しかったです。
雪国は弱いと言われ続けた新潟のチーム。以前は初戦敗退がほとんど。2回戦に勝ち進めば地元では大きなニュースになるほどでした。しかし昨年、文理高校が決勝戦まで進み、準優勝になってからは、もしかしたら実力はあるのかもしれない、と思わせてくれるようになりました。
甲子園で頑張っている高校生の姿を見ていると、新潟もやるじゃない、などとうれしい気持ちになります。お疲れさま。そしてありがとうございました。
でも・・同じ新潟なのに、がっかりするようなニュースが日本中に流されています。佐渡汽船のトラブルです。
佐渡島は日本で一番大きな離島。本土との交通は海上輸送がほとんど唯一の手段です。その中でも新潟市との間を結んでいる佐渡汽船は、とても大きなパイプ。生活の生命線であると同時に、佐渡にとって最大の産業である観光客を運んでいます。
自動車や物資も運ぶフェリーと、高速で運行するジョットフォイルが休むことなく毎日何往復もしています。(真冬にはフェリーだけになりますが)
2隻あるフェリーのうち1隻が故障のために長期間運行されないことになりました。故障は突然やってきました、それもお盆のもっとも利用者や物資の多い時に。
それが大混乱の幕開けでした。エアコンのない待合室は、確実に乗れるのかも分からない船を何時間も待たされるお客さんであふれました。この猛暑の中、体調を悪くされた方もおられたようです。物資が滞ったこともあり、佐渡での生活や観光は大打撃を受けました。
故障しないよう、十分な整備が行われていたのかも問題です。さらに、故障が分かった時点できちんとした対応がなされていなかったことは、問題をさらに大きくしました。
すでに予約された方への連絡が不十分で、HPに欠航のお知らせが掲載されるまで数日かかったとか。別便への変更や手配も十分になされたとは言えないようです。お待ちいただくことになったお客さんに、十分な情報を伝えることもできておらず、暑さ対策すらされていませんでした。
ターミナルで冷たい飲み物を配ったり、氷柱を用意したのは佐渡汽船ではなく、佐渡市。市長自らがお客さんに対応していたそうです。
当事者の佐渡汽船の社長は・・ちょうど夏休み中。電話連絡を時々しているだけで、出社することもなく、お墓参りもしていたと報じられています。会社にとって一大事・・そんな時こそトップが先頭にたって、陣頭指揮をしなくてはいけないでしょう。
本人は財務出身で、実務は副社長に任せていたし、電話だけでも十分だっと言っているようです。そうだとしたら、お飾りの社長ということ? 自分の会社のほとんだただ一つで最大の「売り物」がダメになって、メチャクチャなことになっている・・そんな事態を前にして、いてもたってもいられない心境になるのが、経営の最高責任者であれば当然のことだと思うのですが。
危機管理がまったくなっていなかったことを、絵に描いたように教えてくれます。
昨日は県知事に呼ばれて、謝罪に県庁へ出向いていきました。そのニュースを見て、また驚きました。ノーネクタイ・・。確かに今はクールビス。自分の待合室に冷房を入れないほど、エコに気を遣っているのかもしれませんが(事務所からは冷風が流れてきたというお怒りの声もありましたが)、こんな時に正装しないなんて、その感覚が理解できません。
企業のトップからしてこの程度なのか・・そう思うと、今回の故障がこれほど大きなトラブルになった理由が分かるようです。
「もう佐渡には絶対来ない」そんな声を聞くと、悲しくなります。同じ新潟県民として、申し訳ない気持ちにもさせられます。
どうか早く事態が収拾し、また気持ちよく佐渡観光にいらっしゃっていただけるようになることを願っています。そのためには佐渡汽船の対応が生まれ変わったように刷新されるのは必須条件。社長の交代も当然でしょうが、でもトップを据え変えただけ、体制がちっとも変わらないのであれば、それもまた問題です。
投稿者 tsukada : 2010年08月19日 23:59