2010年09月21日
目的が分からない
怖い話です。検察官が、こともあろうに証拠隠滅罪で逮捕されました。
厚生労働省の役人が関わっていた郵便不正事件で、ニセの書類を作るよう指示したとして逮捕され、本人が一貫して否認しているのもかかわらず訴追された村木さんの「事件」のなかで、証拠の改ざんがおこなわれました。
報道では、書類を作った役人が保存していたFDディスクの日付を変えたとのこと。元々は6月1日だった「最終変更日」を6月8日に書き換えたというものです。
検察は上司からの指示が6月上旬にあったというストーリーを持っていましたが、元の日付のままではそれが成り立たないために、日付改ざんに至ったという推測がもっぱらです。
しかし疑問があります。「作成日」が6月1日のままでは、仮に上司からの指示があったとしてもそれ以前だということになります。どうせ改ざんするならそこまで徹底してやらなくては意味がないのでは。
そのことに気づいたために、実際の裁判に証拠として提出しなかったのではないか。
とすると、この主任検察官はいったい何をしようとしていたのか理解できません。彼の目的は今後の捜査を待つことになりますが、ぜひ解明していただきたいです。
証拠がほとんどなく、本人も否定しているにもかかわらず、取り調べを続け、そして起訴にまで持って行ったことにも、改めて驚き、呆れます。ここでも疑問に思うのが、検察の組織としてどうだったのかという点です。
道を踏み外した検察官が一人いても、それを捜査の中で正すことが出きなかった・・チームとして捜査にあたっていた他の検察官は何をしていたのでしょう。
国家の代理として検察は一人の人間を起訴するわけですが、組織としての意思決定はどうやってなされたのでしょうか。
今日逮捕された検察官が全て不正を一人で行い、全責任を一人で負うことになるのではないか・・今回の「事件」の結末が何となく見えてくるのですが、杞憂でしょうか。
もしそんな結果で終わってしまったら、検察というもの、あるいは国家権力に対してさらに不信感が拡がっていくことでしょう。
検察が検証すべきは、自らの組織としてのありようです。
それにしても、国家公務員を不法に逮捕し、彼女とご家族の生活や人生をメチャクチャにしてしまうようなことが、今の世の中でも起こりうることに改めて怖さを感じます。誰も信じることができないなんて、さみしい限りです。
投稿者 tsukada : 2010年09月21日 23:59