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2011年03月07日

ワクチンのトラブル(2)

 もう1つのトラブルはある意味で深刻です。乳幼児の髄膜炎を予防するためのヒブや肺炎球菌のワクチンを接種後に死亡したお子さんが4例続いたために、当面接種を見合わせるようにという通知が厚労省から出されました。

 いずれのケースも原因や因果関係については調査中で、これらのワクチンが関係しているかどうか、今はまだ分かっていません。明日(8日)、厚労省の専門部会が開かれることになっています。そこで一定の結論がでるかと思いますが、それを注視していたいと思っています。

 この連絡が入った先週金曜(4日)夜から、接種の予約をしていただいているご家庭に連絡させていただいています。当面・・それがいつまで続くか分からないのが困ったことですが・・2つのワクチンについては接種を休止。いずれ方針がはっきり決まったあとにまた相談しましょうと。

 ほとんどの親御さんにはご理解いただいているようです。ワクチンの副作用かもしれないので、ご心配されるのは当然です。ですが、これだけをもってワクチンは怖い、してはいけない、などとお考えになる方はおられないようです。

 冷静に受け止めていただいているのはマスコミも同じです。以前では1例でも重い副作用がでると新聞トップに大きな見出しでショッキングに取り上げられることもありました。今回はどのメディアも過剰に反応して扱っているところはなかったようです。

 昨日の朝日新聞の記事には、防衛医大小児科教授の次のコメントが掲載されていました・・「今回、死亡した子どもの死因については検証は必要だが、不用意にワクチンを怖がって、やっと日本に導入されたワクチンが打たれなくならないようにして欲しい」。

 以前ではこんな紙面は考えられません。鬼の首でもとってきたかのように、やっぱりワクチンは危険だ! だから言ってたでしょ!という識者(?)のコメントが並ぶのがいつものことでした。やっとメディアも、そして国民の皆さんも、ワクチンについて理解を深めていただいけるようになってきたものと思います。

 こんなトラブルもまた、ワクチンについてさらに知ってもらう良い機会になってくれればと願っています。

 それにしても明日の専門部会のことが気になります。心配です・・。

投稿者 tsukada : 2011年03月07日 22:30