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2011年03月21日

一つの後方支援

 原発事故については日本中で、そして世界中で心配をし、注視しています。一刻も早く事態が収拾し、放射能の被害が食い止められるよう願っています。

 今日の政府からの発表などでは、外部電源の接続が進み、一部ではすでに通電し、冷却装置が働き始めたとのことです。暗いトンネルの先に少し明かりが見えてきたのかもしれません。

 そんな事態をもっと深刻に受け止めておられる方々が新潟県にもおられます。避難命令のために福島県を離れて来られた人たちです。当地(上越市)でも市の2か所の施設で数百人を受け入れています。

 少しでもお役に立てることはないか・・そう考え、市や医師会と相談し、子どもたちの健康相談をしてまいりました。スタッフは私(院長)のほかに看護師と保育士など、合計4名。

 数十名の子どもたち、そして親御さん方とお会いし、お話をお聞きしたり、診察をしたり、そして少しだけ子どもたちと遊んだり。みなさん、心配していたような健康上のトラブルもなくお過ごしになられているようでした。

 しかし知らない所で避難生活をされているわけですから、不自由さや不安な気持ちは小さくないと思います。避難がいつまで続くのか、その後はどうなるのかといった、先の見えない状態は大きなストレスになっていることでしょう。

 子どもたちとは少し仲良くなれたようです。こんな中でも元気で明るく過ごしている子どもたちを見ると、私たちの方がパワーをもらえます。ときどき顔を出すから、よろしくね。(遊んでもらったりして・・)

 東北地方で仕事をしている私の同僚たちは、過酷な状況で医療活動をしています。他の地域からサポートに入っていった医師もいます。それに対して私は何もしてあげられない・・申し訳ない気持ちでもいます。

 「後方支援」と言うにはほど遠いですが、当地に滞在している子どもたちのケアには力を尽くしたいと思っています。この子たちがまた自分たちの家に戻れる日まで。

投稿者 tsukada : 2011年03月21日 19:06