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2011年03月24日

接種再開へ

 乳幼児の髄膜炎を予防する2つのワクチン(ヒブ、肺炎球菌)は今見合わせになっています。接種後に死亡例が出たためです。

 厚生労働省の専門部会で死亡原因などについて検討していましたが、今日開かれた2回目の会合で、直接の因果関係はないとの結論が出されたようです。

 持病(基礎疾患)のあるお子さんが元の病気で具合が悪くなったり、ワクチンとは関係のない突然死したりというのが原因とのこと。ワクチンの直接の副作用で亡くなったと見られる方はいなかったようです。

 それを受けて来月(4月)から再開になる見込みです。厚生労働省からの正式な通知は近日中に出されますので、それを待って対応したいと思います。

 見合わせになった期間は1か月弱。長かったようにも思いますが、これまでの行政のペースからすれば速かったとも言えます。

 あまり中断期間が長くなると、ワクチンで予防できるはずの髄膜炎になってしまう赤ちゃんがまた増えてくるのではないかと心配していました。来月から再開されれば、子どもたちをちゃんと守ることができそうです。

 ちょっと心配していることがあります。再開後に混乱がないかどうかです。接種できずにいた子どもたちへの接種も始まるので、「需要」が一挙に増大します。それに対する「供給」が十分ではない可能性もあります。

 何だか計画停電の議論と同じようですが、医療の提供には限りがありますので、それを大幅に上回る希望があったら、なかなか応じきれなくなってしまいます。

 当院としてはできる限りお断りすることなく、スムーズに接種できるように体制作りをしていくつもりです。幸い(?)子宮頸がんの予防接種が、ワクチン不足から順調に進んでいないので、そこで生じた余力を、ヒブと肺炎球菌の予防接種に当てることができそうです。

 何はともあれ、接種が再開になる見通しですので、小さなお子さんをお持ちのご家庭では一安心といったところでしょう。

投稿者 tsukada : 2011年03月24日 23:28