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2011年03月26日

目を開けて!

 東北関東大震災から昨日で2週間。津波被害に加えて原発事故もいまだに収束の見通しのない中、菅総理大臣が国民に向けて直接語りかけるというので、私もテレビを前にして待っていました。

 夜7時半から始まったのは通常の記者会見と同じ。そして数分でチャンネルを変えてしまいました。

 未曾有の大惨事に巻き込まれ、明るい希望を持つことが困難な被災者をはじめ、全ての国民に対して、日本の最高指導者である(はずの)総理大臣がメディアを通して伝えるメッセージ・・さぞかし力強く、私たちに生き続けていく勇気を与えてくれるものになるのだろう。そう期待をしていましたが、残念ながらそんなパワーはありませんでした。

 心に響いて来ないというのが実感。書かれた原稿を読んでいるだけで、下を向いてばかり話していては、聞きたい気持ちが失せてしまいます。

 内容もどうなのでしょうか。「政治主導」を信条としている方ですから、きっとご自身か側近の方が原稿を書かれたのだと思いますが、お役人の国会答弁でも聞いているような気がしました。

 ソツなく様々な問題について言及していましたが、具体的なことは官房長官などがすでに細かに行っています。総理大臣が繰り返すことではないでしょう。

 この異常で困難な事態をどう捉えていて、どのように解決していくのか、いつにはどのようになっていくのか・・そんな大きな見地からの発言を聞きたかったです。

 もし同じ内容のスピーチでも、原稿を見ずに、目の前の記者や、カメラの向こうにいる国民をしっかり見ながら話をしたのであれば、受ける印象はずいぶん違っていたでしょう。弁護士でもある優秀な政治家なのだから、あの程度の(失礼!)原稿を暗記することはたやすいことだと思うのですが。

 原稿をそのまま読む必要はありません。何を伝えなければいけないのか・・それがしっかり分かっていれば、話しながら言葉を選ぶことも難しいことではありません。それくらいできなくて一国の指導者である資格はないでしょう。

 やっぱりあの原稿は自分で書いたのじゃあないのかな。どうせ棒読みするのなら、アメリカの大統領がやっているように、演説台の脇にプロンプターをおいて視線が遠くに行くようにしていたらよかったのに。

 菅総理の記者会見を聞いて(聞かなかった残りは新聞で読みました)、ますます今の事態の深刻さと、今後の展望のなさを実感しました。もしかして、菅さんは国民に安易な気持ちになって欲しくなくて、わざとあの程度の記者会見を行ったのかもしれませんね。

 それは冗談として・・。菅さん、お願いですから、国民にしっかり目を向けて話をして下さい。それは文字通り、顔をあげ、目線を合わせることです。

 それともう一つ・・お疲れ気味なのは分かりますが、ちゃんと目を開けて下さい。眠そうな目が、ますます閉じてしまいそう。目ヂカラも大切ですよ。

投稿者 tsukada : 2011年03月26日 23:57