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2011年05月31日

政治家を叱る

5月が終わりまります。新潟は梅雨入り前の、つかの間の好天でした。きっともう少しでうっとうしい日々が続くのでしょうね。

今月は東日本大震災に引き続きおきている原発事故の対応をめぐって右往左往。きっと少しずつは収束に向かっているのでしょうが、その歩みは遅々として進んでいないかのようです。

政治家たちは何をやっているのでしょう。国の一大事という時に、総理大臣をやめさせようと腐心しています。どこにそんな余裕があるのでしょう。

今の菅総理に問題はたくさんあります。震災がおきる前から、その資格が問われるような振る舞いをたくさんしていました。総理になってすぐから、日本のトップリーダーには不適だと、小生もこの院長ブログでも繰り返し指摘してきました。

国民の批判があるのに首相を変えようとはしなかった。いや、そもそもそんな政治家を自らの代表に選んだ民主党の皆さんは、みんな政治オンチだと言われても仕方ないでしょう。

彼の無能力さは一緒に政治活動をしていれば分かったはず。それでも代表に、そして総理大臣に選んだのですから、彼を否定するのであれば自らの責任をどう考えるのか、ハッキリさせてください。

日本は総理大臣は間接民主主義によって選ばれます。国民は国会議員を選び、その国会議員が総理大臣を選びます。直接的には、菅さんを総理大臣に選んだのは国会議員であり、実質的には民主党所属の国会議員です。

そんな菅さんが総理大臣に適さないというのであれば、彼に票を入れた国会議員はどうしますか。知らんぷりではすまされないでしょう。

さらに、どうしても分からないことがあります。菅さんの代わりに誰にトップになってほしいのか、そして何をしたいのか、全く見えてきません。

 菅さんが総理大臣にふさわしくないのはよく分かりました。でも他の方が総理大臣になって、直ぐに大幅に舵取りが代わり、震災からの復興や原発事故の対応が見違えるほど変わることがあるのでしょうか。

もしそれが可能だとしたら、今のままでも全ての国会議員がきちんと仕事をすればできるのではないかと思います。今の総理大臣にできないことが、今の国会議員から選ばれる総理大臣によってできるようになるとは、とうてい思えません。

まず今しなければいけないことは、目の前にある難題を一つひとつ丁寧に、時には大胆に解決することです。それぞれの政治家も政党も、そのための政策を作り、実行すべく提案しましょう。その実現が菅総理大臣の元でどうしてもできないというのであれば、トップを変え、内閣を変えることに意義があります。

何をしたいのかハッキリさせないまま総理大臣を不信任にしようという動きは、ただ好き嫌いだけで動いているだけの、幼稚な政治です。

もっとも、政治家というのはそんなものなのかもしれません。だからへんに期待を持つべきではないし、言ってることややっていることには最初から疑って見ている必要があるのでしょう。政治家には「性善説」は通用しないのだと思います。

そんな政治のふがいなさは、今回の大震災をより大きな人災にしてしまっているかのようです。いったいどうすればいいのでしょう。本当に困った事態が進行しています。

投稿者 tsukada : 23:59

2011年05月29日

まだ薪ストーブ

 雨が降り、気温が下がっているのは、私にとってはネガティブなことではありません。じっくり本を読みながら、いろんなことを考えることもできました(妄想の世界にひたった?)。

 薪ストーブも焚いてみました。5月ももう終わりというのに暖が欲しくなるのは異常かな。

 我が家の愛犬もストーブの前でマッタリ。こんな時間の過ごし方も、時々はいいですね。

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 といっても、夜は県の仕事が入っています。小児救急医療電話相談のアドバイザーです。親御さんからの電話には担当の看護師が対応しますが、分からないことなどがあれば看護師にアドバイスするという役割です。

 電話の向こうには新潟県中の親御さんがいると思うと、おろそかにはできません。件数はさほど多くはないようですが、でも大切な仕事だと心得ています。

 今夜は県内の子どもたちのためにお仕事をしていますね。

投稿者 tsukada : 14:52

考える日曜日

 先日は隣の長野県まで梅雨入りし、例年より早くジメジメとした天候になっています。それに加えて大型の台風が沖縄や九州を襲っているようです。各地で大雨の被害が起きないか心配。十分に警戒していてください。

 新潟も昨夜から雨になっています。先週の日曜日も雨だったので、2週続けてお天気の悪い休日になりました。

 愛犬の散歩も昨日うちにすませておきました。ついでに庭の芝刈りも。土曜日の午後も仕事を続けていることが多いので、ちょっと新鮮でした。(たまった仕事はまたあとでやらなきゃいけないのですが)

 今日は朝から読書ざんまい。新聞に目を通して、週刊誌をめくり、読みたいと思って買っておいた本を開きました。

 原発事故についてはまだ心配ですのためなら、武田邦彦著『原発大崩壊!』(ベスト新書)は一挙に読みました。新しい情報を得られた以上に、モノゴトの見方や考え方がすごく勉強になりました。

 彼の環境問題への提言などは以前にも読んでいて興味を持っていました。テレビにも最近はよく出ていますね。数年前に東京駅の新幹線ホームでお見かけしたことがあります。きっと同じ新幹線に乗って新潟から帰ってきたところだったのでしょう。小柄のおじさんでしたが、すぐに分かりました。あの時に声をかけて、お話させてもらっていればよかったのにな、などとも思いましたが、もしそうしていたら迷惑がられていたでしょうね。

 彼の著作のことは別の機会に触れたいと思いますが、一貫しているのは科学的な思考と、住民や国民のためにどうすればいいのかという志向です。きちんとしたモノを持っているからこそ、今の社会に流されることなく発言を続けていけるのだと確信しました。

投稿者 tsukada : 13:54

2011年05月28日

今週の感染症情報

○胃腸炎↑
○インフルエンザ↓
○溶連菌感染症↑
○水ぼうそう
○マイコプラズマ
△おたふく
△りんご病
×麻疹
×風疹
-------------
今週は胃腸炎の発生数が増加し、インフルエンザを抜いて1位になっています。
このシーズンはロタウイルスが多いようです。
ロタウイルスではときにけいれんを起こすことがあります(胃腸炎関連けいれん)。
脱水や発熱がなく、症状が軽い場合でも注意をしていて下さい。
もしけいれんを起こしたら・・対処は熱性けいれんと同じです。
数分で自然におさまりますので、そおっとしておき、おさまってから医療機関に連絡をとって下さい。

インフルエンザは今週は減少傾向。
6月には終息するものと期待しています。

溶連菌感染症はやや増加、水痘は同じ程度に流行中です。

関東などで例年よりそうとう早く梅雨入りしました。
蒸し暑く、過ごしにくい季節になっていきます。
体調管理にも注意をお願いします。

投稿者 tsukada : 13:18

2011年05月27日

空振り増加中

 もうすぐ5月も終わりというのに、まだインフルエンザが流行しています。今はB型のみ。もともと春先にはやるタイプのインフルエンザですが、もうすぐ夏というこの季節になってもまだ流行していることは、私には初めての経験です。

 それでも少しずつは減少傾向。下火になりつつあります。6月に入れば終息してくれることでしょう。

 インフルエンザの診断は簡易検査によって行うことが多いです。鼻の奥から粘膜をとらせていただき、それを試薬につけてインフルエンザ・ウイルスがいないかどうかを調べます。数分で結果がでてきますし、信頼性も高いので、外来診療の中ではとても重宝しています。

 その迅速検査・・今週はしだいに「空振り」が多くなってきました。発熱があり、インフルエンザかな?と思って検査をしてみても、判定は「陰性」。インフルエンザ以外の病気だという方が増えてきています。

 私の見立てちがいと言ってしまえばそれまでですが、インフルエンザではないほうがいいわけで、「空振り」も良いことなのでしょう、きっと。

 今週のヒット率(?)は5割くらい。きっと来週にはさらに下がり、空振り続出・・ノーヒットの記録が生まれることでしょう。早くそうなることを期待しています。

投稿者 tsukada : 18:30

2011年05月24日

日本脳炎予防接種の改訂

 これまで定期接種の対象者になっていなかった7歳半から9歳未満の者と、13歳以上20歳未満の者(但し積極的勧奨の差し控えの影響を受けた平成7年6月1日~平成19年4月1日生まれの者)に対しても定期の予防接種が可能になりました。

 以下は厚生労働省のパンフレットから抜粋です。

保護者の皆様へご案内
 「日本脳炎の予防接種を受けましょう」

 今年度は、通常の3歳・4歳のお子様に加えて、小 学3年生・小学4年生のお子様にも、日本脳炎の予 防接種のご案内を行っています。
 小学3年生・小学4年生のお子様がいらっしゃる保護者の方は、母子健康手帳を確認し、日本脳炎の1期接種が不足している場合は接種を受けましょう。
○ 日本脳炎の予防接種後に重い病気になった事例があったことをきっかけに、平成17年度から平成21年度まで、日本脳炎の予防接種のご案内を行いませんでした。
○ その後、新たなワクチンが開発され、現在は日本脳炎の予防接種を通常通り受けられるようになっています。
○ 平成7〜18年度に生まれた方は、日本脳炎の予防接種が不十分になっていることがあります。特に平成13〜18年度生まれ(「年中」相当〜小学4年生)のお子様は、 1期接種が終わっていないことがあります。
○ これらのお子様には、平成23年度から順次接種のご案内を行います。平成23年度は小学3年生・4年生のお子様にご案内を行い、それ以下の年齢のお子様には、平成24年度以降にご案内を行います。
※ 小学3年生・小学4年生のお子様へのご案内の方法などは市町村ごとに異なっていますので、不明の場合は市町村にご確認ください。
※ ご案内の対象となっていない場合でも、平成7年6月1日〜平成19年4月1日生まれで、1期・2期の接種が終わっていないお子様は、20歳未満までの間、接種を受けることができますので、希望する方は市町村にお問い合わせください。

投稿者 tsukada : 19:47

2011年05月23日

5月下旬というのに・・

 昨日からのお天気が逆戻り。雨と風が強く、気温もずいぶんと下がってきました。先週は暑いと感じていたので、そのギャップは大きいですね。

 いままだインフルエンザが発生しています。春先に多いとはいえ、5月になっても流行しているのは私は経験がありません。

 3年前、新型インフルエンザの流行が5月から始まり、夏の終わりから秋にかけて一挙に大流行になったことがありました。でもあれは「新しいウイルス」だから、夏場に始まったもの。特異な現象です。

 今流行しているのはB型インフルエンザで、これは以前から存在しているもの。確かにここ数年、B型の流行がなく、十分な免疫をもたない子どもたちが増えてきていたのでしょう。

 5月も下旬。今週こそインフルエンザの流行が終息してくれることを願っています。

 ところで・・寒いと嬉しいのは薪ストーブ愛好家の私。今シーズンの最後の灯火(ともしび)を密かに楽しんでいます。やっぱり薪ストーブは、いいな。

投稿者 tsukada : 23:59

2011年05月22日

はじめまして!

 ご報告申し上げます。今日、私こと塚田次郎はFacebookにデビューいたしました。

 ・・それがどうしたの?って言われそうですね。すでにその世界を自由闊達に歩き回っている?人もおられることでしょう。何もいまさら珍しいことではないよ、ってツッコミが入りそうです。

 確かにそうです。すでに世界中で利用されています。アフリカで起きている民主化闘争にも、このFacebookが活躍したなんてニュースもありました。

 ブログは以前からやっています。インターネットには割と早くから、歳にめげずに取り組んできたつもりですが、何でもかんでもやってきたわけではありません。ミクシーもしていません。ツイッターも。

 いずれも、もしその世界に踏み込んだらハマってしまいそうな気がしていました。のめり込んでしまいそうです。仕事そっちのけになってしまったらどうしよう。

 そんな心配をしていたら、やっぱりやめておこうと。古いことわざだけど「君子危うきに近寄らず」ってところです。自分の弱さがよく分かっているでしょ。

 でもFacebookは違いました。実名が原則です。お互いをある程度知った上でネットワークを作って行きます。自制もきくでしょうし、変に気を使うこともあまりないでしょう。

 過去にネット上でトラブルをいろいろと経験しました。顔の見えない関係でのつながりは、私には怖いです。この「院長ブログ」にコメント欄を設けていないのも、ひとえに私の度量の狭さゆえ。

 そんな私ですが、Facebookはちょっと違うかな。これまでの人生で触れあい、いっときでも一緒にいた仲間とまた出会えるかもしれない。そこからまた自分らしさを取り戻し、新しい自分につながっていくかもしれない・・そう思うと「自制」がきかなくなりました(^_^;)

 参考書のような本を買ってきて、今日登録しました。友達を探すと、すでにけっこう多くの人たちに出会いました。やっぱりね、みんな当たり前のようにやってるんだね。

 さて、Facebookを始めた私ですが・・実は何ができるのか、まだよく分かっていません。まだまだ発展途上ということでしょうか。

投稿者 tsukada : 23:23

2011年05月21日

今週の感染症情報

◎インフルエンザ↑
○胃腸炎↓
○水ぼうそう↓
○溶連菌感染症↓
○マイコプラズマ
△おたふく
×りんご病
×麻疹
×風疹
-------------
今週はまたインフルエンザが上昇に転じています(先週の28名→44名)。
すべてB型。
学級閉鎖や運動会の延期などの対応をする学校もでています。
5月半ばでもまだ流行が続くことは異例です。
引き続き注意をお願いします。

胃腸炎は半減(55名→28名)。
溶連菌感染症も少なくなりました(22名→12名)。

今週は気温が高く、暑いと感じる日も増えてきました。
紫外線対策や熱中症予防も心がけていて下さい。

投稿者 tsukada : 13:32

2011年05月20日

食中毒に注意を

 牛肉の生食による食中毒が大きな問題になっています。腸管出血性大腸菌は一定の割合で牛の腸管内に生存しています。生はやはり危険。

 多くの細菌は75度1分以上の加熱で死滅しますので、牛肉などは十分な加熱をお願いします。

 カンピロバクタ菌が付着する鶏肉、サルモネラ菌が中に入り込んでいる可能性のある鶏卵も、やはり十分な加熱をして下さい。

 これからの夏場。気温が高く食品がはやくいたむようになります。一般的な食中毒予防のためにも、食品の衛生管理などにも十分ご注意下さい。

投稿者 tsukada : 23:59

2011年05月18日

春から夏へ

 今日の午後は市の赤ちゃん健診の出務。平日は医院の中にずっといるのが普通なので、ちょっとした気分転換にもなります。

 お天気を実感するのも外出時ならでは。日差しが強く、ちょっと汗ばむくらいでした。もう春がすぎて初夏になっているように感じました。

 自動車の中では軽くクーラーを使いました。今年初めてかな。夜になると多少気温が下がり、暖房が欲しくなる日もあるので、この熱のエネルギーをとっておいて利用できないものかと、いつも思います。

 5月の紫外線量は実は真夏なみに多いのだとか。紫外線対策も始めなくてはいけないのですね。熱中症対策も必要かもしれません。気をつけてお過ごし下さい。

投稿者 tsukada : 23:59

2011年05月17日

ある電源喪失

 今の社会は電気で動く仕掛けになっているものがたくさんあります。家庭の中でも職場でも、電気を使わなければ「タダの箱」となってしまうものの方が多いことでしょう。

 電気が使えることを当たり前のことと考えてしまっています。そこに現代社会の「病理」があるといえるかも知れません。そして突然電気が使えなくなった時に、電気の存在とその有益性に気づきます。

 今日もそんなことを経験しました。電子カルテの1つの端末で突然画面が真っ暗になってしまったのです。診察中のできごとだったので、ちょっと慌てました。2つの端末を同時に使っているので診療には支障がなかったのですが、その原因が分かり、復旧させるまで数分間は診療への集中力を欠いてしまったかもしれません。

 この端末はノート型のパソコン。交流電源を使いますが、パソコン内部のバッテリーを充電させながら、直接にはそこからの直流電源を使っています。交流電源がなくても、しばらくの間はパソコンは動かし続けることができます。

 原因はすぐに分かりました。診療途中でこのパソコンを移動させ、もとに戻した時に電源コードをしっかりとつけていなかったのです。そのためにバッテリーが放電し、数時間でパソコンが停止してしまったというわけです。

 抜けていたコードをきちんと差し込んで一件落着。文字通り「抜けていた話」です。

 今回のトラブルでは診療にも影響はなく、患者さんにご迷惑をおかけすることもありませんでした。しかし別の機器であったら、もしかしたら大きなトラブルになっていたかも。やっぱり丁寧に仕事をしていく必要を感じました。

 当院で経験した「電源喪失」の出来事ですが、今日本中で問題になっている福島原発の事故では、この「電源喪失」が根源にあります。比べものにはなりませんが、やっぱり電気は大切です。

投稿者 tsukada : 19:30

2011年05月15日

散歩の途中で

 春というより初夏のような良いお天気の日曜日。ふだんあんまりかまってあげていない愛犬の散歩に出かけました。

 公園の中を小一時間、ぐるぐると回っていると軽く汗が出てきます。きっとワンちゃんにもストレス解消になっていることでしょう。帰ってからはしっかりお昼寝をしていたようです。

 そんな散歩の途中で気になるモノが・・

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 園内にはところどころに材木が積まれています。冬の雪で倒壊した木なのでしょう。廃棄処分を待っているようです。

 でも私にとって「お宝」。決してゴミではありません。冬場の薪ストーブには欠かせません。それもお手頃サイズにカットしてあります。

 あとで公園の管理部門の方にお願いをし、引き取らせてもらおうかと思います。きっとお金をかけて産廃として処理することになっているはずなので、お互いにとってメリットの話だと思います。

 散歩もこんな美味しい話が待っています。だから日曜の散歩はやめられません)^o^(

投稿者 tsukada : 19:03

2011年05月14日

今週の感染症情報

◎胃腸炎
○水ぼうそう↑
○インフルエンザ↓
○溶連菌感染症
○マイコプラズマ
△おたふく
△りんご病
×麻疹
×風疹
-------------
春の大型連休が終わり、また普通の生活に戻りました。
感染症は子どもたちの集団の中で流行しやすく、これから流行の状況がどのように変わっていくか、注目していきたいと思います。

胃腸炎の流行は連休前と比べてほとんど変わりなく、まだ高止まりです。
嘔吐をくり返し、脱水状態になる子が多く、点滴治療を数多く行っています。

水ぼうそうは大幅に増加しました。
伝染力が強く、今春入園した子どもたちが多くかかっています。
潜伏期は2週間・・今週発症の子は連休前に感染を受けていたことになります。

インフルエンザはやや減少し、ゆっくりと終息に向かっているようです。

投稿者 tsukada : 19:21

2011年05月13日

薪が地球を救う

 暖かい季節になり、嬉しく思う一方で、薪ストーブを使えなくなるので、寂しくもあります。もうそんな季節だと思うと、多少無理をしてももう少し薪ストーブを楽しみたいですね。

 今日も汗をかきながら、暖炉の前でこのブログを書いています。

 薪は再生可能なエネルギーです。きちんと燃焼させると、そこから出てくる二酸化炭素は地球環境を悪化させません。それは、ここ数年間、あるいは数十年間で木が成長に伴って固定化していた大気の中の二酸化炭素を、再び大気中に放出するから。

 石油などの化石燃料は、太古の昔に空気の中にあった二酸化炭素を、長い時を経てまた地球上に復活させてしまいます。数億年も前の二酸化炭素だということです。薪を燃やすことと石油を燃やすこととは、環境負荷が全く違うのです。

 バイオマスという言葉があります。生物資源をエネルギーとして活用しようとの取り組みの中でよく使われます。例えばトウモロコシからエタノールを作り、石油の代わりにしようという代替エネルギーです。

 多くのバイオマスは問題や課題を抱えています。トウモロコシを代替エネルギーとしてつかうことは、世界の食料事情を悪化させます。より高額になり、貧しい国ではトウモロコシを食べることができなくなる恐れもあります。

 そのまま使えないのも問題です。トウモロコシを加工する過程で様々な装置や操作が必要です。その結果、作られたエタノールは値段が高くなります。またエネルギーへの変換率は低下することにもなります。

 そういった問題を持たない資源があります・・薪です。木を切り、適当な大きさに切るだけで、そのまま使えます。性能の良い薪ストーブやボイラーはエネルギー変換率が80〜90%以上にもなります。

 そしてさらに良いことに、日本は山林に囲まれ、薪となる原料はとても豊富です。石油などのように海外から輸入する必要はありません。エネルギー自給率100%かも。

 薪という優れたバイオマスを使わない手はありません。燃やして発生する熱を使って暖房や温水にするのはもちろん、発電も可能です。

 そんな夢のバイオマス・・古いようで、実は新しい薪という存在を、きちんと見直してみませんか?

 昔、薪で走るバスがありました。もしかしたらまた薪エンジン(?)を積んだ自動車が街中を走り、ガソリンスタンドの代わりに薪スタンドが並ぶという未来がやってくるかも。

 薪のことを考えていたら、楽しくなってきました。長生きして、薪活用の社会を見てみたいですよ。

投稿者 tsukada : 23:59

2011年05月12日

今週の感染症情報

 「季節外れ」の大流行になっていたインフルエンザですが、大型連休が終わってから発生数が少なくなってきています。このまま終息に向かうものと思いますが、もうしばらく注意をしていて下さい。
 感染性胃腸炎の流行もやや減少傾向です。秋の流行はノロウイルスが多く、今の季節は大半はロタウイルスが原因だと思われます。主な症状は嘔吐と下痢で、脱水に注意が必要です。ぐったりしているときには早めに受診して下さい。
 溶連菌感染症も少しずつ減少しています。溶連菌という細菌が喉についておきる咽頭炎で、強い喉の痛みと発熱が特徴です。抗生物質による治療を行います。
 水ぼうそう(水痘)の発生はまた多くなっています。伝染力が強く、園に始めた入った子どもたちを中心に流行しているようです。まだかかっていないお子さんはぜひワクチン接種を受けておいて下さい(任意接種)。
 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)の発生は少数でした。こちらもワクチンで予防できる感染症です。
 
 腸管出血性大腸菌による食中毒が社会問題になっています。この他にもサルモネラ、カンピロバクタなど、細菌性腸炎をおこす菌はいろいろあります。牛肉だけではなく、鶏肉や鶏卵も問題になります。いずれの菌も75度、1分以上加熱すると死滅しますので、十分な加熱をしたり、衛生管理をしっかりと行うなど、注意をしていて下さい。

(本日のエフエム上越で放送したものです)

投稿者 tsukada : 14:07

2011年05月11日

危機管理としての停電対応

 東京からお客さんが来られました。医者向けの雑誌の方で、当院の停電対応について興味があるということでした。

 昨日の午後に電話が入り、取材の申し込み。その翌日には実現ですので、この世の中はスピード感をもって動いていることを実感します。

 3時間ほどの滞在でしたが、その間に当院のほとんど全てを見ていただきました。危機管理として15年ほど取り組んできた停電対応についても、思いの全てを話しました。

 さてさて、どんなふうに思われたか。医療界のお役に立てるような情報提供ができたかどうか、心配です。院長の自己満足で終わったのではないか、などとも。

 でも記者の方が、当院の対策が「上級編」だと言ってくれたことがとても嬉しかったです。この「院長ブログ」にも書きましたが、決して付け焼刃ではなく、スジの通ったものだと評してもらえたのだと、勝手に解釈しています。

 他にも断水対応(飲み水とトイレ)も見てもらいました。立場は違いますが、共働きや片親家庭にとっては病児保育は危機管理そのものでしょう。「絶対に断らない」という当院の方針にも共感していただきました。

 まだ完成ではありません。夏場のエアコンを稼働させるためにはさらに大きな発電能力が必要です(レンタルできることになっています)。そしてその先・・冬場の暖房のために薪ボイラーを導入する計画が進んでいます(発電もできると期待しています)。

 そんな未来図もお話ししたので、きっと消化不良になられたのではと心配です。院長の毒気?にあたったりして・・

 でもこうして遠くから暖かい気持ちで見ていて下さる方々がおられることを知ることで、私自身が元気になりました。ありがとうございました。

投稿者 tsukada : 23:25

2011年05月10日

野ざらし原発

 今朝は強い雨と風で目が覚めました。台風でも来たのかと思うほど。県内の他の地域には大雨洪水警報が出されていたようですが、被害はなかったでしょうか。

 こんな天気になると心配になるのが原発です。建屋が破壊され、堤防もない福島第一原発・・M9の大地震や巨大津波が来なくても、簡単に放射能が漏出してしまうのではないかと、気が気ではありません。

 事故を起こしてしまったことは仕方ありません。正しいことだと認めるわけではありませんが、事実であることは認めざるをえません。問題はその先です。

 事態を速やかに収束し、さらなる被害は最小にすること。それが今最も求められていることです。

 何をモタモタしているのかと思ってしまいます。雨風のことも心配しなければいけないなんて、どうなっているのでしょう。

 緊急事態には初動対応が肝心だということがよく分かります。最初の段階できちんとしたことができていないと、結局あとあとまでそれが響いて来ます。後手に回るというのはこのことでしょう。

 原発事故はあってはいけないこと・・そう考えていたことがそもそものまちがいでした。条件によっては起こりうることであり、その可能性をどうやって少なくし、もし起きた時でも被害を小さくし、直ちに収束しできるように対策を作っておく・・そうすべきでした。

 原発は基本的には危険なんです。それをどのようにコントロールし、役立たせるか・・ボタンを掛け違えたまま、直そうとして来なかったことが、今の事態を生んだのだと思います。

投稿者 tsukada : 23:59

2011年05月08日

「菅」違い総理

 一昨日の菅総理大臣の記者会見には驚きました、いろんな意味です。夜7時からのNHKニュースを見ている途中で突然記者会見場に切り替わり、中継で会見の様子が放映されました。

 内容はご承知の通り、静岡県にある中部電力浜岡原発の運転停止を要請したというものです。この地域で大地震が近い将来に起きるのが分かったので、危険性を避けるためにという理由でした。

 総理の発言を聞きながら、日本は原子力発電から撤退する方針に転換したのか、と思ったのですが、どうも勘違いのようです。浜岡原発の立地という固有の問題であり、さらなる津波対策としての防潮堤ができるまでの2、3年間、運転をしないようにという「お願い」なのだそうです。

 会見の内容がわかるにつれ、逆に不可解な思いになってきました。なぜ今、この時間に総理大臣が記者会見? 本当に浜岡原発は停止するの? 他の原発はどうするの? これまでの「原発推進」という国や民主党の方針はどうするの?

 今日のニュースでは、中部電力に要請が伝えられたのは会見の40分前だったそうです。総理が社長に電話で話をし、その直後、国民に向かって発表したことになります。政府部内で検討した形跡はないそうです。前日に担当の大臣が現地を視察したときにも、運転停止については触れていないようです(定期点検中の1基を再稼働させるかどうかを5月上旬に決めたいと言っただけです)。担当大臣とも詰めていなかった、ということなのでしょう。

 中部電力は民間企業ですから、その運営について直接指示をだすことは、法律によらなければならないはず。今現に事故を起こしているなどといった「緊急事態」であれば、政治の責任として強いリーダーシップを発揮する必要があるでしょう。でも地震発生の予測などは以前から指摘されていること。今回の大震災を受けて、国からの私指示を受け、原発の電流バックアップ体制などを強化している最中です。どうして今すぐ「稼働停止」なのか。突然のことであり、拙速の批判を免れないと思います。

 テレビ中継という形で国民に直接訴えたということも、その趣旨が理解できません。停止を「要請」はしたけれど、「決定」したことではありません。法律に基づくものであれば、命令のような形で国の方針を伝えることは、自動的に停止にいたることになります。でも、今回はあくまでも「お願い」であり、それを受けるかどうかは中部電力が判断することです。

 総理大臣から直接電話がかかっているわけですから、無視できることではないでしょう。原発を危険視する世論も気になるはず。きっと最終的には稼働停止という決定を中部電力はするのではないかと思います。総理が会見するとしたら、最終的に電力会社の方針が決まってからというのがスジではないのかな。

 民間企業が原発2基を止め、1基を休ませたままにするわけですから、そうとうの費用がかかるでしょう。収益の悪化に対してどのように国が対応するのか。電力不足に陥るおそれもあるわけですので、その対応をどうするのか。そういったスキーム(枠組み)を考え、中部電力と詰め、そして稼働停止にもっていく・・国の責任とはそのようなものではないかと思います。今事故を起こしているというわけでもありませんし、今日や明日に大地震や大津波がやってくるというわけでもないのですから。

 わずか40分でことを進めようという方法には、改めて驚かされます。そんなに俊敏に行動できるのなら、どうして福島第一原発が被災し、電源供給がたたれ、緊急事態に陥ったときに、すぐに対応できなかったのか、突っ込みを入れたくなります。翌日に「勉強したいから」と現地にヘリで飛んでいったのは何だったのですか・・。

 話はそれましたが、会見を聞いていて疑問に思ったことがほかにもあります。総理は危険だから稼働を停止させると言ったけれど、停止すれば危険はなくなるのか? 現に福島の事故では操業停止中の原発も事故を起こしています。使用済み燃料棒を保管しているプールも被災し、電源を喪失したために外部から水を注入しつづけなければいけない状態になりました。

 原発の稼働停止によって危険性がなくなるわけではありません。安全性をさらに高めるための対策を、より早く、よりしっかりと行うことがまず必要です。稼働していても、地震や津波があっても安全に停止させることもできるかもしれません。そうであれば、何が何でも今すぐに稼働停止するんだという方針そのものに整合性が見いだされません。

 総理は何を急いでいたのでしょう。もしこれで中部電力が断ったら(そんなシナリオは彼にとっては「想定外」でしょうが)どうなるかな。これまで国策として原発を推進し、それを民間企業にやらせていたわけですから、これ以上振り回されたくない、という判断もありかも・・。

 国として原子力発電をどう考え、これからどうしようとしているのか。総理大臣が発言すべきは、そういった大きな方針でしょう。40分前に電力会社の社長に電話をし、こんな話をしましたよ、などということではないはずです。

 菅総理大臣の大いなる「勘」違いです。

投稿者 tsukada : 10:07

2011年05月07日

今週の感染症情報

◎胃腸炎
○インフルエンザ↓
○溶連菌感染症
○水ぼうそう
○マイコプラズマ
△おたふく
×麻疹
×風疹
-------------
インフルエンザの発生数は減少しました。
今週は診療日が少ないためもあるようですが、大型連休で流行自体が終息に向かっていると思われます。
もう少しの間、注意をお願いします。

胃腸炎はまだ引き続き流行中で、今週も発生数はほとんど変化なし。

溶連菌感染症、水痘は減少。
おたふくは増加していました。

生肉による食中毒が問題になっています。
やはり生肉は食べないことに限ります。
細菌は75度、1分以上の加熱で死滅します。
焼き肉だけではなく、ハンバーグなどの調理全般に十分注意して下さい。

投稿者 tsukada : 13:38

2011年05月04日

薪の中に春が

 そろそろ薪好きの人にとってはオフシーズン。半年ほど続いた「ストーブシーズン」に幕をおろす時が近づきました。

 春とはいえ、まだ夜は肌寒いですね。内心はまだ暑くならないことを願っています。ストーブをたけるからです。

 昨夜も過ぎ去っていく季節を惜しみながら、薪ストーブにせっせと薪をくべていました。真冬ではないので、少しで暑くなってしまうので、半袖で汗を流しながらストーブの前に座り込んでいるという、他の人からは笑われてしまいそうな様子ですが。

 日中は気温が高くなり、そろそろ薪割りのシーズンです。次のシーズンのために、せっせと汗を流し始めました。

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 今春いただいた丸太です。こんなに大きいと、なかなか歯が立ちません。薪割りの前に、チェーンソーを使ってのカッティングから始めなくては。

 どこから手を着けようか、などと丸太を眺めていたら「春」を見つけました。

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 ソメイヨシノが花を咲かせています。切り出した木にサクラが混じっていたのですね。すでに根はなく、木としては生きていないのに、残った枝がけなげにつぼみをつけ、花を咲かせました。

 これも植物のもつ生命力なんですね。

投稿者 tsukada : 16:57

八重桜

 おだやかな春の大型連休。いかがお過ごしでしょうか。

 ソメイヨシノが散ってしまい、寂しくなった高田公園ですが、ところどころに八重桜が咲いています。

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 きれいですね。でも数が少ないので、公園全体が華やかになるというほどではありません。

 高田公園にはソメイヨシノが何千本も植えてあり、咲いている時は見事ですが・・他のサクラもたくさん植えれば、もっと長い期間にわかってお花見が楽しめるのに。

 江戸時代に作られ、単一の生命体として生き続けているソメイヨシノはそろそろ寿命かも。あと数十年すれば花を咲かせなくなるとも言われています。

 そろそろ先を見越して対応してはどうかな、っていつも思っています。でもなかなか動きがないですね。行政などの中枢にいる人たちには、ソメイヨシノの寿命なんて自分の生きている間には関係ないと思っているのかもしれません。

投稿者 tsukada : 16:40

2011年05月02日

GWまっただ中

 5月に入りました。若葉薫る季節です。サクラが咲いた4月のような華やかさはないけれど、温かな日差しに包まれて、生きていることを実感できるような気がします。

 春の大型連休の真ん中。小児科医院はにぎやかでした。混雑を通り越して混乱と言ってもいいくらい。インフルエンザや胃腸炎の流行も関係あるようです。

 途中で休憩もほとんどとれない中で一日働き続けているので、こんな時にも生きている実感を感じます。

 やる時にはやる、休む時には休む・・緩急をつけ、メリハリのある生活をすることが肝心なんでしょうね。

 明日からは後半の3連休。日常診療から少し離れて、物事を広く見渡してみたいとも思います。目先のことばかりにとらわれない知識と見識をもちたいと常々願っているのですが・・

 休みが終わると、何も変わっていない自分にいつも気づきます。今回はどうかな?

☆今月の「こども通信」をホームページにアップしました。どうぞお読み下さい。

投稿者 tsukada : 23:59