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2011年06月25日
小さな議会の大きな意見書
当地(新潟県上越市)の市議会である意見書が賛成多数で採択されました。「原発縮小を求める」意見書です。
数十キロ離れたところに日本最大の原子力発電所(東京電力の柏崎刈羽原発)があります。もしも原発事故が起きてしまえば被害が及ぶことは十分に考えられます。
毎日生活し、仕事をしてますが、そんな危険性があることを感じることはありませんでした。いや、考えようとしていなかっただけかもしれません。地図を見れば明らか。すぐそばに巨大な原発群があるのですから、わざと目をそらし、見ようとしていなかったのかもしれません。
しかし今回の福島第一原発の事故以来、「安全神話」は崩壊し、自然災害と同様に原発も事故にあうことを前提にものごとを考えるべきだということになりました。冷静に考えれば至極当然のことです。
そして原発がひとたび重大事故をおこしてしまった時には、その被害は甚大で、容易に回復することなどできなくなってしまいます。静岡・浜岡原発は総理大臣の一声で操業を停止し、廃炉が決まりました。そこまでラディカルな動きはなくてもいいですが、大きな流れとして原発に依存しない社会、原発がなくてもやっていける社会、原発のない社会を目指していくことになるでしょう。
今回の市議会の議決は、そんな「脱原発」の考え方が市民の中でも十分に拡がり、共通の認識となってきたことの現れなのだと思います。と同時に、市議会が社会のあり方を見越して意見書を採択したことに敬意を表したいと思います。
以下は「朝日新聞」インターネット版の記事からの飲用です。どうぞお読み下さい。
【原発の縮小求める意見書、新潟・上越市議会が可決】2011年6月24日20時38分
新潟県上越市議会は24日、既存の原子力発電所を段階的に縮小し、再生可能エネルギーへの転換・促進を政府に求める意見書を、賛成多数で可決した。同市は、東京電力柏崎刈羽原発のある柏崎市に隣接し、市の一部が同原発から20キロ圏内にある。
意見書は、エネルギー政策を抜本的に見直し、太陽光など再生可能なエネルギーを「基幹エネルギー」と位置付けるとともに、新たな原発の建設計画の凍結や既存原発の計画的な運転停止を求めている。原案では「原発廃止」をうたっていたが、異論が出たため、「段階的縮小」に修正。同日の本会議では議長を除く出席議員44人中12人が「自然エネルギーは補完にしかならず、原発を一概に否定できない」などと反対した。
投稿者 tsukada : 2011年06月25日 19:43