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2011年08月03日

真夏の悪い夢

 当地のローカル紙「上越よみうり」が報じた、上越市で実際におきた出来事です。

(1)防災ラジオ1時間遅れ
 市街地には防災無線がなく、代わりに全世帯に防災ラジオを無償で配布しているが、「避難準備情報」が出されたと、放送されるまで1時間かかった。市は「放送で読み上げる原稿を作ることなどに時間がかかった」と。

(2)安心メール運用忘れる
 市では防災、防犯などのために電子メールを配信する「安全メール」があり、3千人以上が登録しているが・・豪雨の当日は1度も配信されなかった。前日にはクマ出没情報は流されていたが・・。市では「安全メールを使うべきだったが、思い至らなかった」と。

(3)HP、報道発表4時間遅れ
 避難に関する情報が市のHPに掲載されるまで、最初の避難準備情報発令から4時間。報道機関への情報提供もこの時点までなかった。

(4)HPの災害モード機能せず
 市のHPには災害時にトップページを切り替え、緊急情報を伝えるモードがあるが、使われることがなかった。今年3月にHPをリニューアルした際の「目玉機能」の一つ(リニューアルには1300万円かけられた)。担当の課長は「災害時用の画面に切り替わる機能を承知していなかった」と。

 豪雨の災害が市民生活を破壊しようとしている事態に、いったい何をしていたのでしょう。もちろん何もしていなかったということはないでしょう。それぞれの職員は一生懸命にやっていたに違いありません・・そう信じたいと思います。

 でも、結果としてこれだけことが明らかになると、行政としての役割をきちんと果たしているのか、いささか疑問に思ってしまいます。いざという時にきちんと市民を守ってくれるのかと心配になります。

 いや、そんな期待をかけてはいけないのかも。自分のことは自分で守りましょう。自分も家族も自分たちで守りましょう。職場も地域も、みんな自分たちで守りましょう。他人に頼ろうとするから、裏切られたような気持ちになってしまうんですよね。「他力本願ではいけない」・・そう教えるためにわざと市がやってみたのかもしれません。

 ところで、こんな大きな問題(私にはそう思えるのですが)、他のマスコミは報じていないようです。それもまたどうしたのかと心配になります。いつもは警察や行政の発表を、みな同じように流すのが常なのに。問題意識が違うということなのでしょうか。それとも・・

投稿者 tsukada : 2011年08月03日 21:10