2012年01月16日
この国の制度疲労
このところ、ニュースには情けないことが多いように感じています。
年末のこと・・オーム真理教の幹部で指名手配されていた平田某が逮捕されるまでの経過がそうでした。自分から出頭し、警視庁の警備をしていた機動隊員に名乗り出たのに門前払い。その後別の警察署にいって、ようやく逮捕されました。凶悪な指名手配犯をみすみす見のがすどころか、相手にもしなかったのですから、プロとして恥ずかしい限りです。
これで本人が逃亡しようとしていたら、取り返しのつかないことになりました。あきらめずにもう一度出頭するという善人(?)で良かったですね(-_-)
台湾の女性留学生2人が殺害された事件がありましたが、その容疑者が任意同行中に、隠し持っていた刃物で自分の首を切り、自殺しました。犯行を認めていたので、犯人であることは間違いないでしょう。その重要な犯人を自殺させてしまった・・それも警察へ同行中に。何とも情けない話です。
刃物で殺害しているわけですから、刃物を持っていないか、より丁寧に身体検査をすべきでしょう。基本的なことができていなかったことになります。
先日は受刑者が刑務所から逃走しました。監視の目を逃れ、5メートルもの壁を乗り越え、やすやすと。普通なら起きえないようなことですが、壁が工事中で、内側から足場が組まれている。まるでどうぞ逃げて下さいと言っているようなものです。
工事をするにしても、何か工夫ができないのでしょうか。受刑者は逃げたがるということを前提に考えるべき。工事中の壁に近寄れないように内側に仮設の壁と建てるとか。
監視カメラにもほとんど映っていなかったし、モニターを見ている職員が一人だけ。それで何もおきなくてすむと思っているなんて、なんと平和な国なのでしょう。
一昨日からの大学入学センター試験でも信じがたいことが起きています。ある会場には、英語リスニング用の機器が届いておらず、開始まで2時間待たされるトラブルがありました。発送と到着のそれぞれを確認していれば防げたミスです。
社会の受験方法が今回から変更になったために、多くの会場で混乱していました。試験官が周知しておらず、問題用紙の配布漏れや遅れがおきたというものです。今回の変更により社会の受け方がとても複雑になったという点では、混乱は「想定内」なのかもしれません(私もニュースで見聞きしていますが、社会の受験方法がまだ理解できません)。
でも受験生にとっては、試験官は受験の実施者。そして受験生は、人生がかかっているという思いで頑張っています。言い訳ができるはずがありません。
センター試験については、もう制度疲労をおこしているのではないでしょうか。全国の国公立大学と一部の私立大学で一律に同じ試験を行う必要がどれほどあるのか、疑問に思っています。実際に、その後にまた各大学独自に入学試験をしているのですから。
必要性があるとしても、複雑で混乱をきたいやすい実施方法は改めるべきです。受験生にとっても迷惑ですし、実施する大学側にも負担が大きいと思います。ヘンな建前にこだわらず、改めるべきことはきちんと改めてほしいものです。
こういった事例をみると、日本という国はどうしちゃったんだろうと考え込みます。「おもてなし」という言葉が代表するような日本人の細やかな対応がまったく見られません。気配り上手なはずなのに、どうしたのでしょう。生真面目という国民性はもう失われてしまったのでしょうか。残念です。
こんなことを言っているお前はちゃんとしているのかと、皆さんから問われそうですが・・。自らのことを顧みながら、自戒の念を込めての話題として読んでおいて下さい。
投稿者 tsukada : 2012年01月16日 11:57