2012年02月09日
「ストレステスト」をテストする
日本の原子力発電所の大半は定期点検などのために止まったまま。再稼働させなければ、4月には全ての原発が運転を停止し、日本は「脱原発」状態に突入します。
再稼働に必要な条件として政府が示したのが「ストレステスト」です。「想定外」の地震や津波などが原発を襲ったと仮定して、施設や設備がどのような状態になるかを調べるというものです。
すでに一部の原発については、想定の何倍まで大丈夫などという結論が出されているようで、それを元に政府はGOサインを出す用意をしているようです。
一方で、福島原発の事故原因がきちんと解明されていない状態では、基本的な安全対策が十分とられているとはいえず、再稼働に対しては反対の意見が強いのも事実です。
ストレステストは、コンピューター上のシミュレーションによって行われます。いわばバーチャルなテストです。データは実測しているのでしょうが、テストによって得られた値がどれくらい実際の原発の状況を反映するのか、疑問があります。
そこでその解決法を考えてみました。3・11で被災した福島第一原発について、このストレステストを行ってみるというのです。被災前のデータはすべてそろっているはず。それを使ってシミュレーションしてみるのです。
その結果、福島第一原発がどれくらいの地震や津波に耐えられる構造だったのかという結果がでてきます。それと3・11の地震と津波の規模を比べれば、ストレステストの結論が正しいかが分かります。
もしストレステストが、3・11地震と津波の規模以下で破壊されるという結論を出せば、ストレステストの信頼性が高いことになります。逆に、その程度は大丈夫という結論であれば、信頼にあたいしないテストだということになります。
福島第2原発も被災していますが、報道によれば「メルトダウン寸前」だったとか。ぜひ福島第2原発についてもストレステストをしてみてほしい。「第1」には6基、「第2」には4基の原発があります。あわせて10基の原発についてストレステストを行えば、その信頼性を確認するのにはとても役立つことでしょう。
当時の菅直人総理大臣が突如言い出したストレステストですが、そのストレステストそのものをテストすることが必要なのだと思います。それなくしては、原発行政が信頼されることはありえないように思います。
投稿者 tsukada : 2012年02月09日 11:37