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2012年11月21日
雷と「エネミエール」
冬がすぐそこまでやって来ています。ときより西の方角から雷がなりだします。この地方では「雪起こしの雷」と呼んでいます。その名の通り、もうすぐ雪が降る時の雷です。
「雷が鳴りだしたらおヘソをかくせ!」って私が小さい頃は親から言われたものです。雷さまにおヘソを取られるといけないということなのでしょう。今の若い方々には通じないでしょうね。
何でヘソをかくしたのかな? 取りにくるほどの特別なヘソも持っていないし。それに取られたって死なないだろうし。
ヘソを守ろうとする姿勢に意味があるのかも。うずくまることで低い姿勢になり、頭を下げて、重要臓器を守る・・もっとも、家の中にいる限りは関係ありませんが。
昔、怖いものと言えば「地震、雷、火事、親父」。地盤沈下気味の親の威厳を守るために、雷にかこつけて、世の中には怖いモノがあるんだぞ、と子どもたちに言っていたのかもしれません。
今怖いもの・・とりあえずは雷です。室内で仕事をしているので、打たれて死ぬなどというリスクは少ないですが、もし停電になってしまうと困ります。診療に支障がでてしまいます。
開院から20数年経ちますが、実際に何度か雷によって医院が停電しました。当初は備えはほとんどありませんでしたが、少しずつ懐中電灯から始まっていろいろな対応をしてきました。自家発電機も数台備えて、今では長時間の停電になっても診療や保育室機能を持続できるまでになりました。
雷による停電では「瞬間停電」(瞬停)もときどき経験します。一瞬、室内が暗くなるだけですが、コンピューター関係が問題。ほんのわずかな時間(1秒の100分1ぐらいでも?)電気が途絶えるだけで、電子機器がダウンしてしまいます。電子カルテを使っているので、もしトラブルと起こすと、データの復旧やシステムの再立ち上げに困難をきたすかもしれません。
電子カルテを初めとして、コンピューター関係はすべて無停電電源装置を使い、そこから電源を確保していますので、とりあえず瞬停には完全対応。停電が長びくようなら自家発電機を動かし、電源を自前で確保するようにしています。
雷が医院に落ちることも想定しています。引き込み線が被雷すると、高電圧の電気が室内の全ての電化機器に及ぶことも考えられます。一番弱いのはやはりコンピューター関係。テレビなども心配です。もしそんなトラブルが起きたら、その器機が破壊されることになるでしょう。
そんな最悪のストーリーにならないよう、引き込みの大元に雷を排除する器械を設置してあります。絶対に大丈夫だということではないかもしれませんが、やるべきことはやっています。
当院のこれまでの停電で・・実は一番多いのがブレーカーの作動でした。電気の使いすぎです。冬場は暖房器具を多用しますし、とくに朝一番ではエアコン、電気ストーブなどを一挙に「強」で使ってしまいます。そこに電気ポットなども一緒に使えば、たちどころにオーバーです。
雷などの「院外要因」への対応もしておくだけではなく、「院内要因」にも目を向けるべきだったのです。自分たちの中にトラブルの種が潜んでいたわけですし、それは容易に解決可能でした・・使い過ぎなければいいのですから。
昨年、こんな器械を設置しました。電気の使用量を常時監視するシステムです。一定の使用量を超えたらランプとブザーで知らせてくれるよう設定してあります。
ナショナルの「エネミエール」・・どうもネーミングが安易に思えたのですが、でも効果は抜群。これを入れてからブレーカーを落とすことはなくなりました。
職員の見やすい所に設置してあり、電気器具の使用が多くなったら、使用量を確認するように指示してあります。もし使い過ぎていれば電気の使用を減らして行く。
そもそもそのような事態にならないようにすることもあわせて対処してきました。お湯はガスでわかす(日本中でこうしたら、原発1基分?は不要になるとか)。薪ボイラーを使っての暖房も、エアコンの使用を抑えることになります。電気ストーブは極力使わないことにしています。
エネミエールの効果がもう1つ。「節電」です。瞬間的な使用量増大を監視するだけではなく、常時使用量を見ていることで、たえず電気を少なく使おうという意識が生まれてきます。その意味でもこの器機は優れものなのかも。
何が起きているのか分からないということはストレスです。電気の使用量をいつでも必要な時に把握できることは、安心して電気を使い続けることにつながります。導入して良かったと思っています。
投稿者 tsukada : 2012年11月21日 14:16