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2013年03月14日
暗室にまつわる暗い話
先日から当院のレントゲン撮影はデジタルになりました。それまでのフィルムを使った「アナログ」から、コンピューターを使った「デジタル」に。
実際に使い始めてみると、とてもスムーズに作業ができますし、写真の読影も問題なし。画像の管理も完璧でした。時代はここまで進んでいるんだな、と改めて実感しているところです。
今日は不要になった設備などを廃棄しました。コピー機ほどもある大きな自動現像機・・フィルムの現像には必要でしたが、もう不要です。その周囲の配管(水道、排水、排気)もいりません。廃液は大きなポリタンクに入れて保管していましたが、こちらも不要に。
これらを専門の業者に引き取りにきてもらいました。暗室内はすっきりです。
当院の暗室は、医院としては大きめに作ってあります。それは私が写真を趣味にしていたからです。白黒昼無を自分で現像し、自分で印画紙に引き延ばしていました。
病院に勤務しているころからの趣味。そこでは自分で撮る写真だけではなく、学会発表用のスライドも作っていました。青地に透明の文字という、クラシックなスライドです。外の業者に頼んで作ってもらうのが普通なのですが、私にその技術があると分かると、他の先生方がみんな私に頼んできます。外注では日数がかかるからです。
病院内にあった暗室は広くて使いやすく、私にとって居心地のよい場所でした。院内で私の姿が見えない時には、暗室へ行って見ろ、という話がでていたくらいです。
そして開業。当時は自分の子どもたちの写真を撮ったりして楽しんでいましたが、次第にしなくなっていきました。開院5周年イベントで、多くの子どもたちの写真を飾らせてもらったことがありますが、それが最後だったかもしれません。1995年のことですから、もうずいぶん昔になります。
使わなくなった現像の道具などは、そのまま暗室においてあったのですが、ほこりをかぶっているだけ。今回は思い切って、それらも処分しました。
3畳ほどの暗室ですが、すっきり広くなったのは「断捨離」を決断したおかげでもあります。
でも、広くなった暗室の中を見ながら、空虚感を覚えています。あるものがなくなった、ということはもちろんですが、それ以上に、白黒写真の道具を長い間、使わずにほったらかしていたことが、申し訳なく思えるのでした。
もっといっぱい使ってあげればよかったな。自分の飽きっぽい性格に、多少腹を立ててもいます。
ともあれ、時代は進んでいます。いつまでも振り返っているばかりではなく、前をみて進んでいこう。これだけのスペースをもっと有効に使うことで、過去のものへの弔いになるのでは・・。
投稿者 tsukada : 2013年03月14日 18:36