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2014年05月06日

渡辺淳一氏と私

 小説家、渡辺淳一氏が先日亡くなられました。私の医師としての人生に、少なからぬ影響を与えた方です。

 渡辺氏は私の高校生時代にデビュー。医者らしく医学・医療の問題を正面からとらえた小説がほとんどでした。

 日本初の心臓移植を、同じ札幌医大で見聞きするなかで、医療問題を深く考えるようになったという原点が、まだ生きていた時代・・医学生の多くが影響を受けていたように思います。私もその一人でした。

 私にとって記念碑的な小説は『十五歳の失踪』。腎不全で透析治療を受けている青年が、機械によって生きながらえてる自分の「生」に疑問をもち、遠く北海道まで失踪するという短編。

 それに心を揺すぶられるものがあり、高校生だった私は原稿用紙50枚ほどの感想文を書きました(小説そのものより長かったかも)。自分の将来を決定づけたかもしれません。

 でも・・後年の恋愛モノ(不倫モノ?)は読んでいません。代表作は『失楽園』だとか『愛の流刑地』だとか言われていますが。世間的にはそこから評価が高まる(儲かる?)のでしょうね。

 ともあれ、大きな存在を失いました。ご冥福をお祈り申し上げます。

投稿者 tsukada : 2014年05月06日 22:06