2014年05月26日
山の日
新しい祝日が制定されました。「山の日」・・8月11日です。実際には再来年、2016年から実施されるそうです。
「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」のがその趣旨だそうです。なるほど。「海の日」があるのですから、次は「山の日」があってもいいかも。
でも、なぜこの日なのか、よく分からない。山開きになるような日でもないし、とくに記念するような歴史的なできごとがあったわけでもないみたい。
お盆の休みに連動させやすいということで、当初は8月12日が候補にあがっていたようです。しかし、この日が日航機墜落の日だったので、それを外し、さらに前日にした、というのが「根拠」のようです。
よく訳の分からない理由で新しい祝日が誕生しました。16番目の祝日。うん、けっこういっぱいあるものです。
8月11日が休みになっても、学校は夏休み中だから、子どもたちには関係ないですね。さらにお盆の前・・これが何とも悩ましいです。お盆の15日はもともと休みになっているところが多く、その前後の数日を夏期休暇にしているところも少なくないでしょう。
そうなると11〜15日の5日間がそのまま休みになるのでしょうね。休みが長くなり、また日にちが固定するって、いいことなのかもしれません。
でも、医療の現場ではどうなんだろうか、心配しています。当院もお盆前後に数日お休みをいただいていますが、再来年からはこの5日間が夏期休暇になりそうです。
他の開業医さんも同じ日程になるのでは。そうなると、お盆前の数日は地域の中でいっせいに休みになってしまうのでは・・。
地域全体の医療事情を考えると、バラバラに休みをとった方がいい。これは医療だけではなく、さまざまなサービスで共通です。
日本人は休むのがヘタ。有給休暇の消化も不十分。だからいっせいに休めるように新たな祝日を作る、国民からも喜んでもらえる・・政治家はそんな単純な考え方をしているようですが、ものごとはそんなに単純ではありません。
もっとしっかりと物事を考えてほしいな、と思います。
そもそも「山の日」の趣旨がよく分かりません。日本の国土の7割は山林です。その割合は世界で3番目に高いそうです。
ですが、かつて栄えた林業がすたれ、多くの山林が手を加えられず、山林資源が放置されています。日本の山林を見直し、森林資源をもう一度大切にし、たとえば自然エネルギーの供給源として再生させる・・そんな意味合いを持たせる方が、ずっと国家的な意義があります。
「山の日」というより「山林の日」にしてはどうだろう・・でも、もう国会で決めてしまいました、国民的議論もなく、いつの間にか。あ〜あ。
投稿者 tsukada : 2014年05月26日 21:34