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2015年03月04日

「断らない」心

 今日、あるテレビ局のインタビューを受けました。当地のある女性が逮捕されたという「事件」に関係してです。その「事件」については後日お話することにして。

 レポーターの方は所 太郎さん。よくテレビでお見かけする方です。実際にお会いするのはもちろん初めてですが、でも以前からの知り合いのような(失礼)親近感を感じました。

 テレビのチカラかな。所さんの優しいお人柄もあるのでしょうね。それに「太郎」と「次郎」・・他人とは思えなかったのかも(笑)。

 インタビューが終わったあとの雑談の中で、次はぜひ当院の病児保育を取材にきてちょうだい、と半分冗談(つまり半分本気!)でお伝えしました。ほかとは違って、親御さんの求めがあれば「断らず」全てのお子さんを受け入れているのは、なかなかないでしょ、と。

 所さんからはそれを聞いて、聖路加病院の日野原重明先生を取材した時のことを思い出されると。この病院はオウムがサリンによる大規模テロを起こしたとき、多くの被害者を収容し、治療に当たったことでも有名です。当日の外来診療を急きょ休診にし、通常の診療室以外に廊下、礼拝堂なども処置室として使用しています。

 それが可能になったのは、廊下や礼拝堂にも、非常時を想定して酸素の配管をしてあったから。日野原先生が院長になるとき、そういった施設設備の建設を条件に受け入れたそうです(しかも無給)。

 日野原先生がそう考えたのは、以前、大規模な災害があったときに、受け入れることのできなかった被災者が多数いたことを医療者として心苦しく思っておられたからなのだそうです。

 ここに少しだけ通じるところがあります。わたぼうし病児保育室も断りません。全員受け入れです。

 もともと小児科の外来診療は「来る者拒まず」が普通。インフルエンザが大流行した時はそうとうな混雑になりますが、受診者数に制限を設けることはありません。(患者さんが、あまりの混雑に帰っていくことはあるかも・・)

 それに加えて、当院では停電、断水などの非常時にも、できる限り診療を継続できるよう、いくつもの「仕掛け」を作っています。電源やエネルギー源を多重化し、「ノンストップ診療所」を目指して整備してきました。(あまりの大災害では対応できないかも・・)

 所さんから日野原先生のお話を聞き、規模は全く違いますが、少しは地域のために役だっているのかな、と実感することもできました。楽しい時間を過ごさせていただきました、

 ところで件(くだん)の「事件」ですが、今日のニュースで報道されています。明日(5日)の「モーニングバード」(テレビ朝日)でも取り上げるそうです。どうぞご覧になって下さい。

 内容については、またこのブログで取り上げさせていただこうと思います。

投稿者 tsukada : 2015年03月04日 20:14