2015年08月07日
非核三原則の行方
昨日、広島市での平和記念式典で、安倍首相はあいさつの中で「非核三原則」について触れることはありませんでした。
歴代の首相は、ご自身も含めて、これまで必ず「非核三原則を堅持する」と表明してきました。世界で初めて原爆の攻撃を受け、甚大な被害がでた広島の人々を前にして、日本が非核三原則を守ると話をすることは、その気持ちがあれば自然のこと。あえてその文言を使わなかったのは、やはり意図することがあったと思えます。
つまり、本心では非核三原則をもう守るつもりはないのではないか。
おりしも国会で、「平和法案」では核兵器も〝弾薬〟として輸送することが法律上は可能であるが、日本には非核三原則があるから、政策的に輸送することはない、と政府が答弁したばかりです。
国民の中に、今まさに疑念があるわけですから、非核三原則をしっかり堅持することを明言する必要がありました。でもそれを「あえて」しなかった・・やはりそれなりの意味合いがあったのだと思います。
首相はもう非核三原則にこだわるつもりはないのかもしれません。実際、すでに日本には核兵器が持ち込まれていて、「有名無実」になっています。それが分かっていて、もう無視しようと思っているのかな・・。
あるいは、むしろ積極的に核兵器の運搬をしようと考えているのか。日本国内や周辺での運搬であれば、すなわち「持ち込み」です。そのためには非核三原則はじゃまです。早晩、方針を転換しようとしているのかも。
げすの勘ぐり、と言われるかもしれませんが、首相が明言しないことで、いろんな疑念が増幅します。優秀な政治家や高級官僚がそれを分からないはずはありません。
いろんなことを考えさせられたヒロシマの日でした。
投稿者 tsukada : 2015年08月07日 17:32