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2018年11月17日

違和感

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 当院も加盟している「全国病児保育協議会」の会長さんがある場所で発表されているものです。中に「病児保育とは子どものための制度であり保護者の就労支援ではありません」とありますが・・

 読んでいてとても違和感を覚えました。

 この会では「病児保育は究極の子育て支援」とよく言っています。それを真に受けて(?)当院でも病児保育を始めた経過があります。

 子育て支援なのですから、親御さんが困った時に助けるようなシステムにしておくのは当然必要。そう考えて、断ることなく受け入れる体勢を作っています。

 実際に開設以来17年間、一人のお子さんもお断りしていません。ときにはとても多くの子どもたちを預かることになりますが、それでも預かります。保育をする側からは、無理筋かもしれませんが、保護者の側からは、そうであってほしいのだと思っているからです(勝手な思い込みではないと思います)。

 断らない病児保育・・それが私たちの施設のモットーですし、私たちの誇りになっています。

 でも、全国的にはそうではないようですね。「保護者の就労支援ではない」のだから、断ってもいい。保護者が困っても、「病児保育は子どものための制度」なのだから、それでもかまわない。そんな本音が聞こえてきそうです。

 病児保育は通常はあらかじめ会員登録をしてもらっています。保護者の方にとっては、子どもが病気になり、でも仕事を休めない時には病児保育を利用できるはず。そう思って登録しているはずです。

 何しろ、子どもの病気は急に始まりますが、大人の仕事は急には休めない場合が多いですよね。とくに専門職になっている場合がそうです。

 子どもが病気になった時の休暇(看護休暇)をちゃんと保障してもらえば、病児保育はいらなくなる。そんな意見もありますが、実際にはどうでしょうか。制度としてあったとしても(もちろんそれは必要ですが)、急な休みというのは、やはりとりづらいもの。

 今後さらに社会が発達してきけば、働く保護者の福祉制度もさらに充実することでしょう。でも、仕事の内容がさらに高度になり、より専門的になってくるはずなので、「すぐには休めない」という実際の事情は変わりないか、もしかしたらさらに厳しくなっていくかもしれません。

 こういった乖離のあるご家庭は少なくないはず。それを埋めるのが病児保育の役割。子育ての支援とは、まさにこういった緊急時に対応できないといけないのでは。

 そんな思いが、この論文を読んだ時の違和感になっているのでしょう。そして、協議会が目指す方向が、私たちとは違っていることも、またはっきりしてきたようです。

投稿者 tsukada : 2018年11月17日 10:51