2020年07月26日
市も動いた!
利用者減少から経営が困難になっていた当院の病児保育室。上越市が昨年度並みの委託費を支出するように補正予算を組みました。議会での議決は必要ですが、これで「生きながらえる」ことができそうです。
病児保育事業は国の仕組みがあります。定額の基本分のほか、利用者数に応じた加算分がありますが、この加算分の比重が大きいため、利用者数の減少が経営問題に直結することになります。
国の病児保育事業は、事業費を国と県が1/3ずつ負担します。市の持ち出しは残りの1/3。国はすでに、昨年度の実績を上限として今年度も支出して良いという通知を出しています。今回の市の動きは、それに呼応した形になっています。
記事には「405万円」の増額とありますが、若干の説明が必要です。
昨年度の当院の利用者実績は約3,900名でした。今年度の当初予算は、約3,500名の利用を想定していたようです。これまでの委託方法であれば、年度の最後になって利用者数が分かり、最終の委託費を確定することになります。しかし、昨年度実績を今年度の委託費とすることに決めたため、予算不足が生じることになりました。それがこの「405万円」です(正確には4,501、000円)。
記事からはちょっと分かりづらいですが、そういうことです。実際に、この補正予算案をご覧になったある議員さんから、これでいいのか?というお問い合わせがありました。私も補正予算については何も聞いていなかったので、当初は「?」。でも、この仕組みをお話しする中で、自分でもだんだんと理解ができました。もちろん議員さんにもご理解いただきました。
国の加算分の算定ルールは、以前は年間利用者2,000名までしかありませんでした。当時から3,000人台の当施設は、ずいぶん持ち出し(赤字)で運営をしていました。市から厚労省に話をしても、国としては当施設のような大規模病児保育施設は想定していないと門前払い。市もそれを見かねて、2,000名以上の加算分を市独自で委託費の上乗せを決断し、実行してくれました。その2年後、後追いする形で、国の制度が拡充されました。
さて、これで今年度は病児保育室を無事運営できそうです。次の課題は、安定した経営になるように委託費の固定化です。
施設長だから仕方ないのですが、私の本業は臨床医。あんまり経営云々で、時間も労力も使いたくないのが本音です。お金のことで苦労すると、だんだん意欲を失っていくかも。歳をとってきましたので、安定した経営と運営ができるようになれば、安心して次の代に引き継いでいけるはず。
そうなるよう、もう少し頑張りましょう。
投稿者 tsukada : 2020年07月26日 11:43