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院長ブログ

不妊治療の保険適応って?

菅政権は、不妊治療を保険適応にするべく検討をはじめるのだそうです。それが政権の目玉政策だと。

大変な思いをし、高額な医療費を負担しながら、でも子どもを産みたい、育てたいと考えている若い夫婦を応援しようという意図は理解できます。ぜひ進んでいってほしいとも思います。

でも、なぜ保険なんでしょうか? そこが疑問です。

医療保険は基本的には国民の保険料によって成り立っています。毎月、決して少なくない保険料を納めていますよね。

日本は国民皆保険の国。世界では数少ない制度を整えています。保険に入るのは国民の義務ですし、保険料の支払いも国民の義務です。保険料は税金だと言われるゆえんです。

国は保険財政の運営のために一定の支出をしていますが、保険収入の大半は私たちが毎月納めている保険料によって成り立っています。

新政権が保険で不妊治療費をまかなおうと言っていることに違和感を覚えるのは、この点です。

なぜ国の費用でやらないんだろう。これこそ税金を投入して、手厚い制度を作るべきです。

保険制度をいじるのは数年かかるのだそうです。その間にまた政権が変わり、いつのまにかうやむやになってしまわないか。

国の補助金であれば時間をかけずに実現します。費用の額も、決して多くはありません。

そう考えていると、菅政権が本気で不妊治療に取り組む気持ちがあるのか、疑わしいです。そう感じています。