院長ブログ
電話1本で救えたはずの命
⭐︎悲しい事故
幼い子供が車内に取り残され、熱中症で亡くなったという出来事。とても悲しいです。
父親が登園のために自家用車に乗せていましたが、それを失念し、そのまま出勤。昼休みにやっと気づいた時には既に遅かったというものです。
第一の原因は父親にあります。悪意によるものではないけれど、保護者としての当然の勤めを果たしていませんでした。
でも、保育園はどうしていたんだろう?と疑問に思います。登園してくるべき子どもが、時間になってもなかなか現れない。そんなトラブルに対して、きちんと対応できていたとは思えません。
当然、親から欠席の連絡は入っていない。多少は待つにしても、1時間も遅れたら心配にならないだろうか? 途中で交通事故に遭ってはいないかな? お家の方の具合が悪いのかな? 子どもが急病で病院に行っているのかな?
もし保育園が親に電話をしていたら、悲惨な事故は起きなかったはず。母に電話すれば、母が動いたであろう。父に電話がつながれば、その瞬間に自分の間違いに気づき、子どものところに駆け寄ったはず。
車内に放置されてからの時間が短ければ短いほど、子どものダメージは少ない。命を落とすことはない。
今回の場合は、園が電話を1本かけていれば防げた事故のはず。そう思うと、やりきれない。
過去にも同様な事故は起きています。私も自分の経験から、仕事のことで夢中になり、ついうっかり・・という経験があります。多くの方にとっては、それに近いことを起こしたことがあることでしょう。それほど珍しいことではないようにも思えます。
以前、このようなことが起きた時に、私は「園からの安否確認の電話」が大切だとお話ししています。世間一般の保育園は、このような事故を教訓として、自分の園の運営を見直すことはしていないのでしょうか。
私自身が管理者として運営している医院や病児保育室にも、同じことが言えます。受診や保育の予約がしてあるのに来られないと、必ず電話を入れて「所在確認」するように職員に指示をしています。当方への連絡を入れずにキャンセルしたという例ばかりで、事故に遭ったなどということはありませんでした。
保育園の保育士さんたちへお願いです。子どもが予定通り登園してこない時は、親御さんに電話連絡してください。子どもの様子を聞いてください。所在確認をしてください。
もしも、よく無断で欠席することが常態化している家庭であれば、それは間違っているよと、家庭を指導してください。保育園もそれで良しとしているのであれば、運営方針を改めさせてください。
大切な子どもたちを預かる仕事をしている以上、子どもの命に責任を持ってほしい。そう思います。
繰り返しますが、園からの電話1本で助けることができた命でした。悔しいです。
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