院長ブログ
値上げラッシュ
ある調査で、食品値上げ数が10月が6,699品目で、突出して多くなっていると報じています。
背景には記録的な円安があるのは明らか。日本の産業や経済は海外からの輸入に頼っています。円安(=ドル高)によって輸入価格が著しく高くなっているわけですから、いずれ価格に転嫁することになります。
10月にこれほど多い理由は分かりません。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」といった考えがあるのかも。自分のところだけが値上がりすると目立つし、買い控えも起きかねない。「談合」しているのかどうかは分かりませんが、一緒のタイミングを見計らっていた、というのは穿った見方かも。
今日は国会で岸田総理大臣の施政方針演説がありました。その中で、円安に触れたところがあったのですが、え??っと思ってしまいました。
この円安を是正することが日本の経済や市民生活のために絶対に必要だと思うのですが、どうもそうではないようです。「円安を生かす」と言っていました。「外国からのインバウンドを増やす」良い機会なのだと。
どうしてそうなるの? 今円安で困っている企業や市民のためには何もしません。外国から観光客がたくさん来てくれれば、多くのお金を落としてくれて、経済は回り始めるでしょう。そんな言い草です。
アベノミクスと言われている金融方針で、日本は大量の貨幣を発行し、株価を押し上げました。でもそれはマネーゲームなのでは。実態経済が良くなったとは言えないと思います。
金利はほとんどゼロに近い状態も、まだ続けると日銀は公表しています。かたやアメリカやヨーロッパはインフレーション抑制のために金利を思いっきり上昇させています。そりゃあ日本からお金が逃げていきますよ。
そんな根本的な問題をしようとせずに、円安を受け入れるという姿勢を総理が打ち出したのですから、その影響はきっと大きいでしょうね。ますます円安が進み、国内での値上げラッシュが続き、私たちの生活はレベルダウンしていきます。
困ったことです。日本人は我慢強いって言われますが、よくこれでストライキやデモが起きないものです。
ところで、今朝出勤時に聞いていたラジオ放送で、思いっきりおかしなことを言っている人がいました(よくテレビのコメンテーターでも出てくる人です)。
「10月の値上げ品目はとても多いけれど、11月、12月とぐんと少なくなる。ホッとするね。値上げもひと段落する」(正確な言葉は忘れましたが、こんな趣旨でした)。
いやいや、10月に値上げして、それらの価格が翌月に元に戻るわけではないよ! そのままずっと値上がりしたままで、そこにさらに値上げ品目が追加されていくんだよ。累積なんだよ。
世の中の雰囲気はこんな感じなのかな。日本人は「喉元過ぎれば熱さを忘れる」というのも、こんな感覚でいるからなのかも。
もう一度言います。違うんです。一旦値上がりしたものはそのままなんです。
円安を阻止し、円高に持っていかない限り、日本は貧しい国になっていくことでしょう。
先日、異例の為替介入をしました。数兆円の規模だそうです。その効果があり、数日は円高に振れましたが、1週間ほどで元通りの円高水準に戻りました。小手先の戦術ではどうしようもないんです。
早く分かってほしい。日本の金融政策を変え、きちんと円高に持っていけば、海外からの輸入品は安くなり、物価は落ち着きます。生活も安定するというものです。
何とかしてちょうだい!
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